2017年06月14日

クルミの芽生え

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近所の山で昨年秋に拾ったクルミ(おそらくオニグルミ)を、クヌギの鉢に埋めておいたところ、気づいたら芽を出して旺盛に屹立している姿を成していた。芽生えたら競争に勝つために、胚の豊かな養分を使って一気に高さを確保する作戦で、これはクヌギの芽生えに似ている。多くの種子と同じく、冬の寒さを経験して春に芽生えるタイプのようだ。

幹はこの時点で赤茶色の、幼い樹木の可愛らしさを持っていながらもガッチリとした弾力を見せる。葉っぱに触れるとフワフワと厚みを感じる。葉にうぶ毛がビッシリと生えているからであろう。

クルミは「ナッツ類」としての、食べ物のイメージが強いだろう。
実際にクルミの実の皮を剥ぎ、硬く分厚い殻を割れば、食べられるあの「クルミ」が姿をあらわす。梅干しの種でいう天神様である。天神様と異なるのは、毒を含まず、味が良く、栄養価が高いことである。そのために世界各地でクルミは人類の貴重な食料として大事にされてきたし、文化として残っている。

クルミの実は、大きな梅の実というか、小さな桃というか、独特の大きさと質量感がある。やや粘着性があり、見た目的にも美しいとは言い難い。実の皮には肌が荒れる渋があるようで素手で触るとなんとなく嫌な触感がある。この皮の部分を少し腐らせ一気に剥いでしまうと効率よく種子を取り出すことができる。厚底の靴で踏んで、皮と種子をスポッと分けるようにして種子を採取してもよい。

しかしこんな硬い殻を破って芽生えてくるとは、植物の生命力には感嘆せざるをえない。だからこそ、芽生えた後に生命力の躍動感じさせる堂々とした姿を見せてくれるのだろう。
 
ラベル:樹木
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2017年05月31日

コブシの芽生え

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昨年秋、近所の山に自生していたコブシの実から取り出した種子が芽生えていることに気づいた。
春になっても芽が出なかったので失敗したかと思っていたので驚いた。発芽条件や発芽環境になんらかの悪影響があったようだが、それを克服して芽生えたのであろう。

コブシはモクレン科モクレン属の落葉性の広葉樹で、成長すると高木となる。春になるといち早く大きく白い花を咲かせることから迎春花の名をもつ。田打ち桜と呼ばれもする。それは、コブシが花を咲かせると霜の恐れがない春の到来を意味することからくる。田を起こしても大丈夫だという知らせなのである。

コブシの大きな特徴としては、その名のとおり、拳のような外観を呈する果実の集合体をあげることができる。異質さをおぼえるほど独特なものであり、実物みるとインパクトがある。秋口になると中から種子をもつ赤い実が現れ、これまた独特なことに糸を引いてぶら下がってくる。ちょっと不気味であるが、こうやって目立つことで鳥に実を食べてもらい、種子散布して増殖しようというコブシの作戦なのである。

種子は黒く厚みがあり、ソラマメのようである。皮と果肉を剥いで綺麗に洗いながして水に一晩つけてから撒いておくと春先に芽を出すようだ。冬の寒さを経験させないと発芽しないタイプと思われるので、実生苗を作ろうと思ったら秋に仕込んでおこう。要求される土壌の質については分からないが、どんぐりやタブノキが発芽する土なら間違いなく発芽すると思われる。生命力の強い樹木のようなので、芽生えたら適当管理で大丈夫っぽい。

ラベル:樹木
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2017年05月15日

望み薄だったナラガシワの芽生え


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ナラガシワが発芽するとこのような姿となる


秋→冬→芽生えの季節へ
 「どんぐりから、どんぐりの木を育てる」場合に、もっとも留意しておかねばならないことは、時間がかかることである。これは致し方ない。自然の時間の感覚と人間のそれは異なるのである。自然からみれば人間の1日など瞬きする程度の時間であろう。

 どんぐりは、乾燥を避けた状態で冬の寒さを経験して春にならないと芽生えてこない。根を張って、春を待っているの状態であり、地面から顔を出さないのである。埋めたことも忘れた頃に芽生えている感覚である。

 埋めてから発芽まで時間がかかるのが待ちきれない人は、どんぐりを乾燥しない状態で冷所保存するか、麻袋に詰めて土中保存しておき、春になったら播けばよい。が、この方法は面倒である。秋に採取したどんぐりを土に埋め、越冬させ、発芽を待つ方が実際の自然の営み通りであるし、実際のところやる方も楽なのである。動物に掘り起こされたりしない場所で、土が乾燥し切らないよう、管理することを怠ってはならないが、概ね放置で済む。


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 土に埋めておいたどんぐりが乾燥しすぎると、発根はするものの発芽しないで死んだような状態になる。この状態は一見して「枯れてしまった」ように見えるのだが、諦めずに水分を与えると発芽を開始することがある。どんぐり内部の豊かな栄養分がなす生命力であろう。ゆっくりであるが、発芽が進行していく様を観察できる。最後の最後まで諦めずに耐えていた健気さが胸をうつ。

 植物を観察しているのと楽しい。特に春が過ぎて葉が青々とした隆盛の時期であるからなおさらだ。盆栽が趣味である人の気持ちがちょっとわかる。


タブノキは「どんぐり」の木ではありませんが
 越冬だと?そんなに待ってられねえぜ俺はせっかちなんだ!という人には、タブノキがおすすめです。初夏に実がなり種子が得られるうえ、撒いて一週間もすれば発芽するからです。タブノキは寒さにちょっと弱いので、冬は0度以下にならないところで保護しましょう。


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ラベル:樹木
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2017年05月06日

加佐ノ岬


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加賀市橋立には、ひっそりとした岬が存在します。加佐ノ岬です。
日本海を望む加賀海岸を崖の上から一望できる、寂寥感ある灯台付きの岬です。

利便にかまけた近代生活を送る我々は、その一方、決別して距離を置いている「自然」に触れることで精神の保養を求める勝手な生き物であります。

それはともかく、自然に触れたいと思った時に、すぐに足を運べるスポット、それも「穴場」なところを確保しておくことは日々を生きる現代人にとって軽視すべきでない要件ではないでしょうか。嫌なことがあって気が滅入った時に海に行く人もいますし、登山に出かける人もいるとききます。人間が心理を回復させるには、ちょっとした孤独感が必要であって、それを求めるために大自然の中にお邪魔する向きがあろうかと思います。とすれば、人が必要以上に集まることのないスポットに出向くことが望ましいことになります。連休中の自然公園のような、子どもと保護者の喧騒に包まれた場所では精神の保養は難しいからです。

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加佐ノ岬は、加賀市民のなかではマイナーな場所です。存在は知ってはいるけれども、足を運ぶことはない。「なにもない場所」「ショボい岬」扱いをされているのが実情のようです。加佐ノ岬は学童時に遠足で訪れた経験のある人も多いはずですが、それ以降、訪れることのないままの人が多い。遠足というのは自然を学ぶ校外活動でありますから、選定されるのは「自然以外になにもない」、要するに子どもにとっては地味な場所にほかならず、さしたる印象を残さない結果になるのも無理なからぬ話ではあります。だからと言って価値のない場所では決してありません。訪れる人も少ないですし、世俗との適度な隔離感があり、なにより景色が良いからです。静かな場所で高所から海を一望したい人は気に入る場所でないかと思います。夕焼けが綺麗です。



アクセスはちょっと癖があります。
グーグルマップでみると太い道がありそうですが、実際は細く勾配のあるヘボ道です。自動車がすれ違うにはちと幅が狭いので、大きな車で向かうと泣きをみます。

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橋立自然公園を抜けると墓場が左手にみえる丁字路があるので、そこを左折して加佐ノ岬の駐車場に向かうルートが無難でしょう。ここには清潔性はあまり期待できないがトイレがあります。また、すぐそばにカフェがあります(パワースポットがどうたらとか看板にあるので胡散臭いですが、加賀市民が利用する真っ当なカフェです)。加佐ノ岬を訪れるには階段や坂を降りたり登ったりするので、このカフェで一息つけるとよいでしょう。
 
ラベル:海岸
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2016年10月15日

クスノキ

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熟して黒くなった果実。葉を千切ると樟脳の匂いがする

 秋になると、クスノキの側には黒い実が地面に落ちている。木から落下したクスノキの果実である。拾って果肉を剥げば、中に種子が入っているのを確認できる。果肉は不味くて食べられたものではないが、鳥たちは食べるようだ。実が鳥に食べられることで、糞と一緒に排泄ざれることで種子散布がなされる。これはタブノキと似ている(タブノキは夏に種子が散布される点では異なる)。

 クスノキは材や葉に樟脳を含むため、近寄ると独特の香りがする。樟脳は防虫剤で有名な成分であるが、医薬品にも用いられる。巨木に成長するので、鎮守の森や神社、公園に存在することが多いようだ。昔から日本人に深く関わってきた樹木である。

 発芽させるためには、今の時期に実を拾ってきて果肉を剥ぎ、種子を取り出す。疎水性の果肉を布なので綺麗に除去して撒けばよい。そのまま冬を越し(冬の寒さを経験し)、春を迎えると発芽を開始するが、一般的に発芽率は悪く、芽ぶくのも遅いようだ。最終的に巨木に成長するが、その始まりはシビアでスロースターターのようだ。

 実を拾って気が向いたら、空いた鉢植えやプランターに、空き地にでも植えて気長に発芽を待てばよろしかろう。春を迎え、種を撒いたのことを忘れてたあたりに芽ぶくのだろう。
 
ラベル:樹木
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2016年10月07日

スダジイをお茶で味わう

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簡単な手順
1.新鮮なスダジイの皮を剥き、実を集める
2.粗挽きにして焙煎する
3.煮出す
4.味わう


 スダジイはシイ属の堅果(いわゆる「どんぐり」)であり、俗に言う「椎の実」である。正確にはツブラジイの兄弟だが、私が住んでいる地域ではツブラジイが見つからないので、椎の実といえばスダジイを指すのである。

 それはさておき、スダジイとツブラジイは生で食べられるほど食用に適したどんぐりとして有名だ。スダジイとツブラジイはアクをほとんど持っていないため、生で食べられるほど口当たりが良いのである。縄文人が保存食にしていた痕跡が残っているし、飢饉食として食べられた経緯もある。飽食の現代でも、好事家に食べられている。私も子どものころ、腹が減ったときにスダジイを拾って食べたものであったし、いまも秋になると拾って食べることがある。これが生で食べられるなんて昔の人は本当に重宝しただろうと、地面に無数に散らばるスダジイをみながら考える。仄かに栗のような風味が鼻腔を抜ける(なお、クリも「どんぐり」である)。

 スダジイを拾って集めていると、ご年配の方が「おや、椎の実ひろいかい?」と声をかけてくれたりする。軽く炒って塩を振ると美味しいよと教えてくれたりもする。戦後の食糧難の時代では、みんなで拾って食べていたそうだ。いまは食べないという。貧しかった時代を思い出してしまうのが辛いのだろうか。幼いころに感じた味は、その人の人生に深く刻まれる記憶なのである。


 

淹れてみよう飲んでみよう
 拾い集めるスダジイは、なるべく殻(果皮)の色が黒々しいものが良い。落下したての新鮮なものほど殻が黒いからである。これを水に漬けてみて、浮かぶものは古すぎたり虫が喰っていたりするものなので除外する。沈むもののみを利用する。


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←除外 使用→

 水から上げて殻を剥き実を集める。このとき、ペンチを用いると効率が良い。スダジイの尻の部分あたりに軽く力を加えるとパキッと亀裂が入るので、そうしたら胴の部分あたりにも軽く力を加えると縦亀裂が入る。あとは爪でこじ開けて殻を剥く。身はアーモンドナッツよろしく茶色の種皮(渋皮)で覆われているのでこれも除去する。古く痛んでいるものは殻の除去が難しいし、実が茶色く変色したりする。そういうものは除外する。


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 ミキサーや包丁で粗挽きにしてフライパンで焙煎する。ほうじ茶のように好い香りがたつわけではないが、なんとなく匂いはする。写真の状態はやや深炒りかも。ここまで熱を加えると身は硬くなり過ぎて食べられない。


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 お茶パックに入れて煮出す。一度、水を沸騰させてカルキ抜きしてから煮出そう。あまり色は出てこない。このときの水の量が多かったのかも。

 素朴な味で風味の良いお茶が好きな人は喜びそうなお味。毎日飲み続けていいレベルで美味しい!ほどのものでも無いが、野趣あふれる香ばしさと控えめな甘さに上品さを感じる。健康食品が好きな人に健康茶デス、と飲ませたら喜ばれそう。熱い状態でも冷やして飲んでも、どちらもいける。当然ながらノンカフェイン。


 恵みの秋が「食欲の秋」だなんて形容されるようになったこの飽食の時代に生きているからこそ、一度は味わってもらいたいお茶である。スダジイ集めと殻向きの手間はかかるが、その過程こそが重要なのである。
 
ラベル:樹木
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2016年08月18日

タブノキの芽生え

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若葉は赤みを帯びているが、次第に緑に変化する

埋めておいたタブノキが、猛暑にもかかわらず次々と発芽している。

どんぐり全般は秋に拾って発芽は春になる(時間がかかる)が、タブノキは種子を拾える時期(夏)に発芽させられることができる。すぐに芽が出て欲しい人に向いているのではないか。

発芽の成功率を上げるためには、以下の項目が重要と思われる。

・種子を水に漬け吸水させておく
・種子の状態で地面に転がっているものは、吸水させても発芽しづらい(虫に喰われたり乾燥しきってダメージが大きいものが混じるから)
・深緑の果実から種子を取り出して水に漬けたものを植えると発芽しやすい

発芽の確実性を求めるなら、鮮度の高い実から種子を取り出して植えることになるだろう。

花壇用や野菜用の安い培養土で発芽するので、土に対する要求性は低いようである。また、発芽後はクヌギほど日照を要求しない。発芽までは土が乾いたら散水する程度の管理でよい。
 
ラベル:樹木
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2016年07月20日

これってタブの木の種子だったのね

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子どもの頃、夏頃になると地面に転がっていたコレ。うずらの卵のような模様をしたお菓子みたいなコレ。「ヘビの卵や〜」なんて言いながら投げ合っていたものだったが、その正体はタブノキの種子だった。

タブノキは日本の国土に幅広く認められる大型の常緑広葉樹。鎮守の森にいくと目にすることができる。樹齢3桁クラスになると、その巨体さとあいまって相当に神々しい姿となり、土地のシンボルと化し始める。

そんなタブノキ、種は青々しい実の中にある。実の果肉を除去すれば種を得られるので果物のようだ。ただし、実も果肉もボリュームは極めて少ないから、実質的には鳥たちの餌になっている。実を食べた鳥は糞をするわけだが、種子は消化されずに出てくる。子どもの頃に投げ合った「ヘビの卵」の正体は、タブノキの実が鳥の糞を経て姿を現した種子だったのである。タブノキは、鳥に実を提供することで、自分の子孫を遠くに運ばせているわけである。果肉に包まれた種子は、果肉があると発芽が抑制されるので、自然の仕組みとは、本当によくできたものだ。

タブノキを種から発芽させることを考えた時、実をきれいに除去するか、鳥の糞を経由した種子を拾ってくることを考えることになる。後者が容易で現実的だろう。種子は乾燥を嫌うため、拾ったらすぐに水につける。水につけると、特徴的なうずらの卵模様は消えて茶色くなる。これを湿った土のなかに埋めておくと芽を出す。6月に拾った種子を土に埋めておいたものが3週間ぐらい経って芽を出し始めたので、どんぐり全般と異なり、冬を越させる(一定期間、低温状態に保つと発芽スイッチが入る)必要はないようである。木をすぐにでも育てたい貴方は種子を拾いに行こう。
ラベル:樹木
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2016年05月27日

どんぐりの苗木を作ってみるという趣味

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クヌギさんたち


園芸や盆栽という趣味がある。普通、高齢者向けの「枯れた」趣味とみなされる。その昔、こち亀で「盆栽が育つ頃には本人があの世にいってるぞ!」と両さんが声にしていたが、まあ、確かにそうかもしれない。植物の成長は遅く、その育成は緩慢な付き合いにならざるをえないからである。人生の歩みを植物の育成に重ね合わせるようなところがあるから、せっかちな人には不向きな趣味とは言えそうだ。

さてそんな植物を対象とした趣味、代表的な園芸や盆栽は王道とはいえ本格的すぎる。初心者には敷居が高いのである。「なにをいう、本人が楽しめればいいのだ」という向きもあるが、手軽に始められるかといえば、そうではなかろう。もっと手軽でコストがかからず、植物の育成に寄り添う醍醐味を味わう方法はないものか。アルファルファや雑草なんぞを育てるのも悪くないが華がなさすぎる。薔薇や花を育てるのは華があっても男の子らしさがない。


そんなかんだで落としどころを探ってみると、どんぐりを拾ってきて発芽させるのが良さそうだと考えた。幸いにしてどんぐりは、子どもの頃から小学校やそばの神社で馴染み深い存在。秋口ともなればよく拾って遊んだし、食べたりしたものであった。そして今も、散歩に行けばどんぐりの木は変わらず存在している。どんぐりの木は、広葉樹林であり、日本国土の山林を構成してきた樹木のひとつである。となりのトトロに出てくる木、といえば子どもでもイメージできる。日本の原風景にある木であり、禁ではどことなく身近でなくなった近年にでもある。最近は戦後の我が国の林業の荒廃や里山の消失といった話は、私は明るくないのでなんとも言えないが、見渡せば杉だらけの山は味気ないと思う。


さて、どんぐりを発芽させようと思いたっても、まずは知識の整理と準備が必要であるから、これからド素人記述を行いたい。

どんぐりというのは、あくまで総称であって、どんぐりの堅果をつける樹木は多数ある。↪︎wiki
私の住んでいる場所では、クヌギとスダジイを入手できた。その土地によって生息している樹木には差や特徴があるもので、育てるのであれば、その土地に昔から存在する種を選択すると間違いがない。そして、どんぐりがなる木は、小学校や神社や公園に行けばどこかにみつかるはずである。

どんぐりを拾う時期はご存知の通り秋であるが、発芽のために土に埋める時期も秋である。どんぐりは、土の中で寒い冬を超すことで発芽のスイッチが入るからである。秋に拾ったどんぐりを土に埋めたら、春まで発芽を待つばかりということになる。その間に行うことは、種子が乾燥しすぎないように必要とあれば水を与えることぐらいである。完全放置で水やりを降雨に任せていても、意外になんとかなる(あくまでスダジイとクヌギだけを扱ってきた浅い経験に基づく)。


どこで発芽させるかは、以下の通りになろう。

1.成長して木になって欲しいと思う場所に、直にどんぐりを播く
2.ポットや植木鉢


どんぐりの木は成長によって根が深く広く張っていく特徴がある。木が大地に根を広げていくことで、土砂崩れや地盤崩壊を防ぐことになるのは有名である。これは、太い主根が杭のごとく土壌深く伸びていくと同時に側方に副根が這って強固な網状を形成するからである。この際に重要なのが地中深くに伸びる主根であり、2.の、ポットや植木鉢で発芽させた場合、根は下に伸びることができずポットや植木鉢内でトグロを巻くように伸びざるをえない。これは自然科学的に不自然なことである。ポットや植木鉢でこのように根を張らせたどんぐりの苗木を、どこか土壌に移植したとしても、本来的な根の広がり方は期待できないことになる。そのため、根による補強効果は期待以上のものにはならないと思われる。従って、土砂崩れや土壌崩壊を目的にどんぐりの木を用いるのであれば、ポットや植木鉢で発芽させた苗木を移植するのではなく、直播きして発芽、生育させなくてはならない。

こうしたことは、趣味でどんぐりを発芽させて鑑賞的に育てるのであれば気にする必要はないことだが、将来的に、国土の保全的な、土壌を根で補強することを目的に苗木づくりを考えているなら、直播きから育てあげるべきである。

「(とりあえず)どんぐりの苗木を作ってみる」のであれば、殆ど観賞用であろうから、ポットや植木鉢で発芽させることになろう。庭や空き地に直播きで植えることができる人もいるかもしれないが、順調に育って大木となった時に、広く深く張る根が、(人間にとって都合よく整備されている)地面や塀を破壊する恐れがあるのでオススメできない。もっとも、その前に育てた本人があの世に行っているかもしれないが。私は直播きはせず、ポットや鉢植えなどで発芽させた経験しかないので、そちらの方法について記事を書く。

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苗木業者か将来的な意図的植樹が目的でなければ、このような育て方はしなくてよい(後悔中)


種を植え、発芽させるための容器としてポットや鉢植えがある。まずポットは、理科の時間や農業で馴染み深い、あの黒く色気のない「ビニールの鉢植え」をイメージしてもらいたい。作業的に大量の苗木を作ることが目的でなければ不要である。というのは、キチンとやれば、植えたどんぐりは高い確率で発芽してくるので、数でカバーする必要がないからである。また、ポットで発芽させると、先述のとおり将来的な根の発育に不安要素が生じる。少しでも植物の根の成長が自然であることを優先するなら、垂直的な高さのある容器で発芽させた方がマシである。

こうなると高さのある植木鉢を用意するのが望ましいが、これを用意するとなると金がかかる。そこで紙コップを利用する方法をオススメしたい。適当な紙コップではなく、スタバやタリーズでみられる特大サイズのものを用いる。映画館でポップコーン購入した時に、高さのある紙容器であった場合も利用できるだろう。この場合の利点は、ゴミの再利用になると同時に、苗木の植え替えが容易になる点、(推奨はしないが)地面に埋めれば土に還っていくことにある。綺麗に洗って底に排水用の穴をボールペンの先でズコズコ開けるだけで使うことができる。

次に、どんぐりを埋める土である。
その辺の畑や空き地や山から採取してもよさそうだが、雑草の種が混じっているし、案外に手間がかかる。ホームセンターで最安値の培養土でも買ってきて、それと余っている土(枯れてそのままになってしまった植木鉢など)などを混ぜ合わせて用意するのがなんだかんだで手間がかからないしお金もかからない。土に求められる性質は、適度な排水性と保湿性と栄養分であるが、適当でも大丈夫である。紙コップの底に小石や枯葉でも敷いたらその上に土を盛っていけばよい。

埋めるどんぐりは、住んでいる地域で採取できるものでよいので探しに行こう。私の場合は、スダジイとクヌギだった。秋になれば木の下に落ちているので拾いに行こう。拾ったどんぐりをそのまま土に播いても発芽率は低いので、ひと手間かけることになる。

まず、拾ってきたどんぐり水に漬ける。虫が喰ったり傷んだものは浮いてくるので、これは発芽しないから除外する。水の底に沈んでいるものを播くことになるが、半日〜1日ぐらいはそのまま水に浸しておく。どんぐりは乾燥に弱いので、十分に水を吸わせておくことが重要だからである。これは土の中に播いた後も同様であって、発芽する春まで乾燥しすぎないよう、常に土を湿らせておくことになる。これさえ心がけておけば、春になると一斉に芽を出し始める瞬間を迎えることができる。

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プランターに適当に埋めたスダジイの殆どが発芽してえらい目に(発芽は計画的に!)


仕込む時期は秋、どんぐりが地面に落ちているころからである。

用意するもの

・任意の容器(高さのある紙コップがオススメ)
・ホームセンターで購入してきた安い培養土
・土いじり用のスコップ
・あなたの家の周りに存在するどんぐり

こんなもので大丈夫。お金がかからないことが第一である。

埋めるどんぐりは、表面から2センチぐらいの位置に横にして置く。置いたら、その上から土を盛り、水を与えて湿らせる。これで終わり。春まで待つばかりの日々の始まりである。スダジイは3-4月頃、クヌギなら4月終わり頃から芽をだす。半年近く待つので、のんびりしたものだ。

スダジイは地味にひっそりと、気づいたら芽を出している感じ。成長は遅いが、典型的な緑の双葉を咲かせゆっくり控えめに成長していく様を楽しめる。
クヌギは堅果が大きく胚の栄養がリッチなためか成長が旺盛で、芽を出したらすぐに屹立とする姿を拝むことになる。「苦抜き」として縁起の良い木でもあるし、色々と分かりやすい「どんぐりの木」であるから、拾える環境にある人はクヌギでチャレンジすることをオススメしたい。

発芽した後は、土が乾燥しないよう水やりを行う。光合成のためと日光に当てすぎると葉焼けを起こすことは覚えておきたい(土も乾燥しすぎて熱を持ってしまう)。朝方と夕方ぐらいに陽が当たる場所がいいと思う。

もし発芽しなかった場合は、堅果が乾燥して死んでしまったか虫に食べられてしまったかである。その場合は、果物や拾った種を育てる、よろず発芽場に切り替えて利用するとよい。柿やビワやリンゴやオレンジの木なんて育てられたら楽しそうだ(美味しい実の収穫は期待できないので観賞用になる)。
 
ラベル:樹木
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