2017年09月29日

【試乗】VOXY ZS(FF/CVT)


「人は家族を持つとミニバンに乗って死ぬ」とか某イギリス人が言っていた気がするが、家族を持つとミニバンほど便利でありがたいクルマがないのが事実であるし、それを否定するのは野暮である。

トヨタのVOXYは、販売店によって名称とフロントマスクその他に違いはあるものの、基幹コンポーネンツは同じであり、ネッツ店が扱うものがVOXY、カローラ店がNOAH、トヨペット店がエスクァイアとなっている。ミドルサイズミニバン(というクラス分けがあるかはわからないが、トール系ワゴンである軽自動車、アル/ヴェル/エルグラなどの巨躯のミニバンと比較すればミドルサイズである)は及第点の3列シートを備えており、それを畳めば広大なカーゴスペースが得られ、程よい車高の高さは足腰の弱った人でも乗り降りがしやすいし、特徴であろうスライドドアは子育て世代には「本当に」ありがたいアイテムなのである。ミニバンは、バスか貨物車を運転するのかとおもわれようが、やはり実際に使用するとその便利さが骨身にしみる。便利さの前には、多少の拘りなど瑣末なものである。日本人は道具に対してハンディな機能美を追求してきたDNAがあることも無視できまい。

いずれにせよ、このVOXYはトヨタの売れ筋ミニバンであり、それは取りも直さず日本のミニバンの代表選手であることを意味している。結婚して家庭を持つようになると色々あるので、試乗に行くことになった。乗り始めて長いGHアテンザ25Zももう走行距離が99500kmである。



結果
・酔ってしまった
・トヨタ・ブランドとハイブリッドを強く求める人向けかな?

少なくとも私がミニバンに求めるものは、安全で安定した運転感覚があり、3列シートを備え快適な車内空間が確保されていることであり、それが小さい車体で実現されているもの、である。

試乗した限り、VOXYはこれらの条件を満たしているように思えた。ただ、気に入ったかどうかでいうと、答えはNOである。

ミニバンに走りを期待しても仕方がないが、このVOXYは印象に残るドライビング感覚がなかった。自己主張のない自然な感じといえばそれまでだが、さすがに無個性すぎるというかなんというか(運転していて寂しい気持ちになる)。早くも遅くもないし取り回しがしづらいわけでもないが面白いわけでもないし、走る・止まるも不安がないのだが、及第点であって喝采をあげるほど訴えてくるものがないといおうか。

それよりも厄介なのが車酔いである。トヨタの乗り味なのだと思うが、なぜか酔うのである。これは私が子どものころからのもので、トヨタ車に乗ると酔いやすい傾向がある。足回りが柔らかく優しいものにしつらえてあるのだと思うが、感知できないような微振動で身体が予期せぬ揺さぶられに遭うからかもしれない。ハイブリッドモデルであればまた違うのかもしれない。

このVOXYを試乗する前に、自分が運転したわけではないが新型ステップワゴンに乗車している。3列シートやワクワクリアゲートの動作ギミックはアイデアものであり、それでいて高い実用性を持っていた。ウォークスルーの隙間は取り立てて広いわけではないが、移動に支障はなかった。3列シートも身長175センチの大人が子どもと座る空間としては充分で、エマージェンシーではなかった。使わないときは畳んで床下に回転収納させておけるわけだが、これは後部空間の採光性や開放感の面で優れている。ステップワゴンの動力性能がどこまでのものかは数字でしか推し量ることはできないが、子どもを持った家族が所有することを想定するなら、このVOXYよりもステップワゴンの方が商品力は上であろう。ステップワゴンは売り上げ的に苦戦していると聞くが、やはりトヨタブランドは強いということだろうか。



ミドルサイズミニバンの一般的な候補は、このVOXY/NOAH/ESQUIREか日産・セレナかホンダ・ステップワゴンであろう。適当に選んでも後悔することはなさそうなぐらい、どれも高い商品力を有するレベルにある。各社が潤沢な開発資金を投じ、切磋琢磨して、徹底したネガ潰しを行い、間違いがないミニバンに仕上げているからである。

VOXYはその毒のある外観とキャラクター路線から、若い世代やちょいワル系のオーナーを狙ったミニバンであることは間違いない。カタログを拝見する限りちょっとやり過ぎの域に達している感を受ける。ヴェルファイアまでは必要としないオーナーのためのミニ・ベルファイア路線のための車種になっている感じを隠そうともしていない。下品といえば下品である。しかし、ミニバンが家族のためのファミリーカーであることを承知の上で、そこに止まることなく個性的な路線を打ち出している積極性は、画一的になりがちなクルマ市場と、購入者の選択肢が増えてくれる意味で望ましいことであろう。

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2017年02月23日

【試乗】ストリーム(FF/4AT)


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まとめ
・当時のホンダの良心とユーザー思いの思想設計を感じ取ることが出来る、実力ある家族向け実用車
・1.7L VTEC(FF/4AT)では力不足で必要最低限のスペックでは
・シートが私の腰に全くフィットしなかった点が残念



GHアテンザの車検の代車。ホンダの初代ストリーム。
H17年式、1.7LのFF(CBA-RN1) 走行距離12.5万km 前期型のボトムグレードのようである。

ホンダ・ストリームを語るときに欠かせないのがトヨタ・ウィッシュであろう。
これは有名な話だが、要するにトヨタがストリームを丸パクリ(+α)して発売したのがウィッシュなのである。真偽のほどは諸説あるし、丸パクリと断ずるには感情的すぎる気がするが、トヨタは昔から後出しじゃんけん的車種をぶつけてシェアを奪う戦法をとるところがあるため「火のないところに煙」になっているようだ。当のトヨタは「ユーザーが望む車を出しているだけ」と飄々と答えるだろう。…ウィッシュ(望み)をストリームにぶつけられたホンダはよくブチ切れなかったものだとと思う。


ウィッシュをぶつけられることになったこの初代ストリーム、どこが優れているかみてみよう。

すぐにわかるのは、その優れたパッケージングである。5ナンバーで中庸な全長と全高サイズながら3列シートを備えているのだ。エクステリアデザインは、もちろん、古さがあり、格好いいと一口にはいえないのだが、この当時のホンダ・デザインである「シンプル基調で嫌味のない範囲でスタイリッシュに纏め上げた」感に満ちている。下手な加飾・装飾がなく、余計なプレスラインがないのである。この時代のホンダ車のデザインが、私は好きだ。

狭い空間に無理のある設計からくる貧乏くさい窮屈さはなく、乗り込んでみれば、とても広いわけではないけれど、予想よりも広い空間が確保されていることに気づく。3列シートは流石に狭く緊急用の域を出ないことには目を瞑らなければならないが、あると無いので差は大きい。必要の無いときは手荷物置き場に利用するか、フラット収納して荷室にできる。シートアレンジの使い勝手は古臭さを残すが、時代を考えれば驚異的である。

運転席に座っても、コンパクトサイズの幅でありながら充分な広さがあり、楽である。ホンダらしい工夫のされた耐久性重視のサイドテーブルがあり、小物収納もあらゆる面で豊富である。ホンダは限られた空間を無駄なく上手に利用する設計が得意なようだ(この経験が後のN-BOXに引き継がれたのだろう)。手の触れられる範囲に用いられているインテリアの材質も水や汚れ、紫外線に対し耐久性のあるものを優先しているようだ。快適さが確保された空間で人も荷物も乗せられるパッケージング。家族、若者たちへのホンダからのプレゼントのようだ。大ヒットしたのは当然である。

実際に運転席に乗って運転使用とすると、着座位置が高い。そして腰のすわりが悪く落ち着かない。着座位置が高いのは実用車なのでかまわないのだが、腰のすわりが悪いのは堪える。シートの角度を色々調整したりしたが、結局、すわりの良いポジションは得られぬままであった。シートのホールド性もイマイチでこのシートで長距離運転は勘弁してほしいところ。カタログには「ストリームがめざす、スポーティでしっとり・しなやか・スムーズなフィールを座り心地でも体感できるよう、こだわりを注いだ1列目シートです」とあるが、本当か?2列目に座っている分には、腰のすわりの悪さはさして気にならなかった(しかし、決して良くはない)。

運転席周りは窮屈でなく、広さを感じる。ドリンクホルダーや小物収納など日常の使い勝手が考慮されている設計に気づく。インパネ周りとダッシュボードへの移行性がなくデザイン的にどうかとは思うが、目くじらを立てるほどのものでもない。ダッシュボードは安い人工皮財布みたいな模様のプラスチックだが、耐久性抜群素材であることと目に優しい点で優れている。一般的に安っぽいインテリアと評される類なのだろうが、私は気にならなかった。一般乗用車では、優れた耐久性や目に優しい素材を用いる方が遥かに重要である。ステアリングがやけに大きい気がする。

エンジン屋のホンダの1.7L VTECは4ATとのマッチングでこの車体をどう引っ張ってくれるのか。

まず、サイドブレーキを解除し、シフトをドライブに入れてブレーキをリリースすると力強いクリープをみせる。元気のよさを感じるが、ちょっと強すぎな気がしないでもない(バック時のクリープも、同様に強い)。これは期待出来る動力性能かも、と思わせるが、その期待は半分は裏切られる。パワフルではないからである。
しばしば「エンジンはこの車体には非力かと思いきや、必要十分な動力性能…」と評される向きがあるが、大雑把に言えば、確かにその範疇だ。だが、これは正確にはやや非力の裏返しである。なぜなら、この試乗は一人で、荷物も載せていない状態だからである。積載が増えれば必要十分ではなくなる。荷物をさして積まず、一人や二人での移動が多い人には過不足のない動力かもしれない。しかし、それ以上の場面で辛くなる。クルマには「余力のある動力性能こそが安全を確保する」面もあるので、ここは2.0L-i-VTEC(K20A)を選択する方が良い。[PS/kg・m]が130/15.8から156/19.2に向上するのは大きい。過去に私が乗っていたDC5インテグラ(最終後期型)TYPE-S とTYPE-RのエンジンもK20Aだったから、贔屓してしまう気持ちもある。K20Aは歴史的名機である

と、1.7L VTECを乏しているようだが、ホンダらしさのある良いエンジンである。1.7Lとハンパで珍しい型だが、優れたエンジンだからこそ採用されたのだろう。排気量通りの常識的なパワーを有する量産型ユニットであるが、綺麗に回るし素直なパワーを出す。K20Aほどではないが、回した時に快音を奏でるのも良い。

Dドライブに入れた状態でアクセルをベタ踏みすると、一拍の間をおいてエンジンは猛然と回転数を上げる。4000rpmあたりから、雑味のない迫力のある整った音が聞こえ、車体は急加速する。ギアはレヴ6800rpmできっちり変速するあたりがホンダらしい。このときの加速感はなかなかの迫力であるが、実は決して速くはない。そして100km/hを超えると頭打ち感が出始めると同時に、車体の安定性に揺らぎが出始める。高速道路の巡行は100km/hを目指さない方が安全で燃費の面で良さそうだ。

なお、Dドライブに入れた状態で一定速度巡行やアクセルワークが穏やかな運転、もしくはアクセルを抜くとECOランプが点灯する。この時代に既にホンダはさりげなくECOランプを実装していたのであった。夜間ドライブ時にこのランプが点灯すると、視界の片隅に「ポッ」と点灯が走るのが分かり、どこか心地よい気持ちになれる。

ブレーキはややスポンジーで頼りないところがあるが、カックンブレーキではない。踏みしろが大きいので、踏み込みが浅いと利きが弱く感じてしまう。踏めば利くわけなので、すぐに慣れる。

ステアリングフィールは僅かに重めで、この手のクルマにしては思ったほど遊びがない。年数と走行距離がかさんだ「トウのたった」固体にしてはシャキッとしている。弱アンダー基調で、キビキビ曲がるわけではなく、一般的にいって癖のない味付けか。足回りは驚くべきことにマクファーソン/ダブルウイッシュボーンが奢られているが、あまりに速度の乗った状態で曲がろうとすると遠心力に振られて車体の接地感が少し消えたりするところがある。横転はしないだろうが、ワインディングを攻めたらちょっと怖い思いをしそうだ。ボディ剛性を高め足回りを固めたAbsoluteグレードなら楽しめるかもしれない。

乗り心地は可もなく不可もなく。代車で古くて走行距離が嵩んだクルマにしては乗り心地が存外に良いなあという印象。ホンダの乗り味は一般的に硬く、乗り心地が悪いといわれるが、トヨタ車一般と比べれば…という枕詞が抜けている。その意味では、確かに硬いかもしれない。ただ、普通は気にならないだろう。気にするほど高額なランクの車種でもないし、快適な乗り心地を第一に期待される車種でもないからである。

あまり走りに過度な期待はしない方が良いが、ユーザーの実用性が大切にされていて、回せば快楽的なエンジンと奢られた足回りがついてくる妙味あるホンダらしいクルマがこのストリームである。


スライドドアは不要で、
なるべくコンパクトなサイズで、
いざという時に使える3列シートがあり、
充分な室内空間からくる使い勝手の良さと積載量が確保されていて、
日常の相棒として長く使えそうな耐久性がありそうな、

クルマを探している人には有力な候補になるだろう。
話を繰り返してしまい強縮だが、シートの座り心地ががイマイチなのが引っかかるのと、選ぶなら2.0Li-VTEC
を積んだグレードであることは重ねて述べておきたい。速さをさして求めないなら、1.7L VTECでOK。
 
posted by ぎゅんた at 13:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 試乗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月11日

【試乗】アバルト 124スパイダー(FR/6MT)

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まとめ
パッケージングは魅力的ながらコレジャナイ感


NDロードスターは小排気量NAエンジンを軽量なボディに積む、いってみれば原点回帰を目指して開発された。4代目ロードスターが発売されるに至ってもなお、初代ロードスターに乗り続けているファンもいる。動力性能を欲張らずに安価に仕上げた車体でありながら、いつもの交差点1つ曲がるだけで笑顔になれる、そうした楽しさをいつも感じられる奥深いキャラクターこそが初代ロードスターの偉大なところだとされる。ここには絶対的な速さは必要とされていない。普通の速度で走らせるだけで満たされた気持ちになれるクルマであることが評価されている。

アバルト124スパイダーは、NDロードスターをベースにしたフィアット124スパイダーのホットバージョンである。中身と製造はマツダで、エクステリアとセッティングはフィアット/アバルトであるから、信頼性のおけるイタ車と考えても良さそうだ。エンジンは1.4L直噴ターボで170馬力…とくれば、単純に考えてNCロードスターと同様のスペック。重量は1130kgなのでますます似ている。NDロードスターはエンジンスペックが物足りない…と考えていた人には有力な候補となるのではないか。

インテリア・エクステリアの変更点は好みの分かれるところだが、NDロードスターと違った方向性の格好よさがあり、イタ車風味を感じさせる。飽きがくるのは早いかもしれないが、こちらの方がパッと見はイケているだろう。マツコネが標準装備であること、ドアトリムがボディカラーと同色でないこと、180km/でリミッターがかかるところは「分かってない」ポイントであろう。それ以外が優秀な商品力を発揮しているだけに残念。「車体ベースと製造はマツダなんだ。悔しいだろうが仕方がないんだ」というところか。

乗る前にリアトランクに鞄を載せたが、開閉スイッチの位置が変更されていた。NDのそれはやけに分かりづらい所にあったものだ。トランク容積の増減はなさそうであった。

久しぶりに座るNDロードスターは、低く、狭かった。足を投げ出すようなポジショニングをとると、小さな緊張感と小さな高揚感が心に湧き上がる。着座位置が低いクルマはいまや時代遅れの希少種になりつつあるが、ちょっとした非日常への古典的な演出として抗いようのない魅力に満ちてる。

既にアイドリング状態であったので、サイドブレーキを降ろしクラッチを踏み1速にギアを入れる。ホットバージョンということで、フライホイールが軽いとかクラッチの繋がりがシビアだとかあるのかと身構えたが、全くそんなことはなかった。クラッチはやや重めで反力も強め。クラッチが繋がった時の振動がハッキリ分かる。半クラ領域は広くて分かりやすいので、普段からMTに乗っている人ならエンストしないだろう。NDロードスターに比べスポーツさがより強調されたクラッチ周りである。

シフトノブはNDの球状と違って、外車によくあるガングリップ(?)タイプ。個人的にNDのあの球状シフトノブは嫌いなので、これは好ましい形状。ミッション機構はSKY-MTではなく、NCのそれを採用したとのことである。そのためであろうか、シフトフィールがあの重みを伴うショートストロークで懐かしい気持ちになった。ロッド式であるから、掌にはシフトノブを介して心地よい振動が伝わってくる。

車体はNDロードスターに比べ重くなっており、やや重厚な乗り味になっている。低速トルク型の1.4L直噴ターボは、力強い仕事をこなす。乗り味とパワー感からは、やはり予想していた通りNCの乗り味に近いものを感じた。明らかに違ったのは、交差点を曲がった後の巡航速度への加速時にあった。曲がって、2速に入れて、クラッチを繋いで、アクセルをゆるく踏む…これで加速していくものと思いきや、予想に反してパワーがなく、もたつきをみせた。124スパイダーに搭載されたエンジンは、スペック上の数値はともかくダウンサイジングターボであり、自然吸気とはやはり異なる表情があることを忘れていた。

しかし非力なエンジンではない。過給がかかる領域まで回すと分かりやすいパワーが瞬時に引き出され車体が前に蹴られ出る。この時の加速感はNC以上のものを感じるが、所詮は170馬力なので絶対的に速いわけではない。速いといえば速いが、もっと速いクルマはいくらでもある。そして、ここまでの速さがロードスターに必要だろうかと思えてならないが、これはアバルト版なのでこれで良い。しかし、それなもっとパワーがあっても良さそうなものである。NDのくせにNCをはるかに凌駕するパワーが与えられた過激バージョンという位置付けのほうがより望ましかったであろう。痛感するのは、ロードスターにパワーを求めていくと「落とし所」が極めて難しくなることだ。パワーはすぐに慣れて不足を感じるようになる。

ND-RSに60万円ほど追い銭を払うことで、装備の充実した個性的なマツダ製イタ車が手に入ることを考えれば実に魅力的なクルマである。オープンカーの選択肢が増えるのは無条件で素晴らしいことだ。ロードスターRFが登場したら、また悩ましいことになるだろう。

個人的には、ロードスターには重厚さとパワフルさ似合わないと考えているし、エンジンが小排気量ターボである点に引っかかりを覚える。私にとって最も魅力を感じるのはND-Sである。マツコネも付かないし車重も1tを切っている。しかしこのグレードはシートヒーターが付けられない点で致命的である。今後、追加されることと期待しているが、タン幌設定がないのもマイナスだ。買わない理由探しだけは立派で恥ずかしい気持ちだ。
 
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2016年10月04日

【試乗】アルト(FF/CVT)

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グレードはX(多分) 走行距離1770km。

Xは上級グレードのようである。なんと運転席と助手席にシートヒーターが備わり15インチを履く。値段優先で軽量で燃費の良さが売りのクルマにしては豪華絢爛すぎる印象。最近の軽自動車はグレードにもよるが、普通車顔負けの装備で武装されているのである。エネチャージやアイドリングストップ、ブレーキアシストも付いている。

運転するために乗り込む。ドアはびしゃんとスズキっぽい音と感触で閉まる。これはアルトワークスでも感じたことだが、着座位置が高く感じる。相対的にサイドブレーキが低い位置に感じる。車内は実際的には小さく狭いはずだが、体感では広く開放的。軽自動車だからと車内が狭苦しくはないのである。後部座席はやや狭いが、荷物置き場と割り切れば広大な空間となる。リアシートのすぐ向こうにリアゲートがあり、畢竟、リアトランクの空間はひどく狭い。ベビーカーが乗るか乗らないかといったところ。軽自動車に積載性を求めるならスペーシアやタント、ウェイクやN-BOXといったトール系を選択せざるを得ないだろうし、そのためにラインナップされているのである。

ブレーキを踏みながらエンジンをかけると速度計の針が振り切れるスイープ演出が見られる(タコメーターはない)。アイドリング時のエンジンは静かである。ギアをDに入れサイドブレーキを解除し、ブレーキから足を離すと強いクリープで車体が動き、慌ててブレーキを踏んだ。CVTはクリープが弱いように考えていたが、アルトの車体が軽いため強くでるのだろうか。

駐車場から道路に右折で合流する形でドライブ開始。アクセルをゆっくり踏み込んでのんびり加速をさせてみる。案外に直ぐに50km/hに達してしまった。これは速いクルマなのかとアクセルをガッと踏んでみたところ、エンジンがワーンと唸って、ワンテンポおいての加速を始める。しかし決して速くない。軽量といえど0.66LのNA3気筒エンジンでは動力性能的に過分さを求めてはならない。巡航時に無理な追い越しをかけたりするのは危険そうだ。NAの軽自動車は、町乗り速度0-60km/hの範囲を扱いやすい動力性能でカバーしてある(に過ぎない)クルマなのである。常に余力をもった、余裕ある走りを求めるには力不足は否めないだろう。もっとも、0-60km/hのレンジは鉄板なので、発進から遅くてもたつくとか、気を抜くと失速するとかいった事態は見られない。加速したらアクセルをパーシャルで踏んでいるだけで極めて自然に、あたかも自動的に60km/hに達して巡行しているような塩梅だ。

ブレーキは、そのプアさが気になった。効きが頼りなく扱い辛いのである。ガッと踏めば効くのだが、そうすると車体に不快な振動でてしまう。減速はショックレスに行いたいものだ。このアルトのブレーキは、踏んでいくにつれて減速が強くなっていくリニアさが乏しい。少し踏んだところで効きが悪く、焦って強く踏むとガッと効き始めてしまう。慣れてくると、ガッと効き始める直前のところまでペダルを踏んで微調整をできるが、ブレーキは常にリニアであることが望ましいと考える向きは合わない性格だ。

もう一つ気になったのは、アクセルペダルを踏む右足のくるぶし辺りが痛くなって仕方がないことだ。私のペダルを踏む足の角度が悪いだけかもしれないが、運転を始めて10分ぐらいするとくるぶしが痛み出してアクセルペダルから足を離して休ませなくてはならなくなる。踵を支点に足の指先あたりでアクセルペダルを踏むと痛くなるようだ。これでは長時間の運転が苦痛で仕方がない。踵でアクセルペダルを踏めば解決する程度のことだが、その踏み方だと微細なコントロールが難しくなる。

ステアリングフィールは想像していたより重めの味付け。路面からの情報はなんとなく希薄。クルマのキャラクター的にコーナリングマシンであるわけがないが、カーブの連続する道を60km/hを保ちながら走り抜けるぐらいは余裕で可能。もう少しフラつくものかと思ったが、重心をなるべく下に設けることで安定さを得ているシャシなのだろうと思える。ただし、急な切り返しを連続で行ったり、コーナリング時の速度をもう少し上げようものなら、尻の下あたりからソワソワ感が伝わってくるというか、要するに限界それ自体は低いことが分かる。一方同時に、足回りのセッテイングを変えればもっと攻められるクルマに化けるポテンシャルを秘めているように思える。素性の良いシャシであるろう。このXグレードが走りを優先したグレードであるわけがないので、キビキビとした走りを常に味わいたいのであえばRSやアルトワークスを選ぶことになる。

アルトは軽量小型安価をウリにした軽自動車であるから、コストパフォーマンスの良さが期待されるクルマだ。そしてそれは賞賛されるレベルに仕上がっている。実に魅力的な軽自動車であるが、アクセルを踏んだ状態をキープしていて痛みが生じることが気になった。VPバンやアルトワークスの試乗の時には気にならなかったというのに、はて、なぜだろう。靴が悪かったのかな。

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2016年09月13日

【試乗】パッソ (FF/4AT)

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代車で使用した初代パッソ。走行距離77.000km。おそらくベースグレード。

総排気量996ccで71馬力を発揮する直列3気筒を搭載している。
軽自動車に毛が生えたサイズと動力性能のクルマと侮っていたが、その印象は覆される結果になった。乗ってみると分かるが、最低限の「普通車」に仕上げてある。4ATを載せているのも好印象。軽自動車とはクラスの差が分かるクルマに仕上げられており、町乗り特化のコンパクトカーとして作り込まれた潔さがある。運転席と助手席はコラムシフトとフットブレーキの採用によりベンチシートとなっているので広く感じる。

車体サイズは、最近のトール系の軽自動車に見慣れた感覚からするとむしろ小さく見える。積載量は、軽自動車で培われた技術が盛りだくさん…かどうかまではわからないが、スペースを有効利用しようと頑張っている感はある。5人乗りが可能だが、大人5人が乗るのは拷問プレイなので実質、四人乗りとなろう。しかし大人が四人も乗れば荷物の置き場所に難儀することになる。リアハッチを開けて利用できるリアスペースの容量はスズキ・スイフト並み。4人フル乗車で買い物に行ったら、足元に荷物を置くことは覚悟しなくてはならない。これに困ったあなたのためにパッソ・セッテが存在する…が、そこまできたら他のクルマを選ぶだけのような気がする。パッソは町乗り特化のコンパクトカーでしかないので、積載量に関しては割り切る必要がある。

71馬力のエンジンはこの車体にマッチしていて、NAの軽自動車のようなタルさがない。町乗りでの扱いやすさ重視のエンジンセッティングがなされているようで、少なくとも町乗り速度である0-60km/hは盤石。別に加速が優れているわけでも爽快な動力性能ではないが、不安を覚えるほど遅いわけではないという意味でバランスのとれた動力性能を見せる。直3のNAだが、エンジンを回しても軽自動車のような「あ、コレ3気筒ダネ」なガーッという音は意外にもしない。ム゛〜!!という音がする。回したくなる快音では決してないが、3気筒然としたガーッよりはマシである。意図的に軽自動車とは違う感じを出したのかもしれない。アクセルを踏み込んでから加速まではやや間があり、踏む→ム゛〜!→車体が加速 という三段ステップを踏む。動力性能的に過激なところは全くなく扱いやすい。

乗り心地はトヨタらしいというのか、女性向けというべき。よく言えば柔らかいが悪く言えばフワフワ落ち着かない。こうしたクルマが足回りを硬めにするわけがないのでこれでいいのだが、高速巡航すると不安定さをおぼえるであろう予感がした。やはり町乗り特化である。40km/hで直線道路を走行中に敢えてステアリングを素早く左右に切り、車体の動きを確認したところグワングワンと揺れて乗り物酔いをきたした。「そういう動きをさせるクルマではない」だけのことだが、峠を攻めるのは自重するほうがよい。ステアリングは軽く、路面情報を得るには心許ない。

個体差なのか仕様か分からないが、ブレーキの調整が難しい。カックンブレーキであって、ショックレスで停車させるための速度コントロールが難しいのである。もう少しリニアに効いて欲しいところ。エンジンブレーキは弱いので、積極的に利かせるにはコラムシフトを操作してローギアにする必要がある。コラムシフトはスロットマシンのレバーほど重くもないし節度があるので、普通に操作すれば目的のギアをすっ飛ばして間違えてしまうことはない。

ドライブに出かけたくなるような、走りを楽しむクルマでは全くない。クルマ社会に身を置く人の生活のパートナーである。軽自動車よりは車格が上で、5ナンバー普通車の性能が過剰である人向けのクルマと考えれば優秀で嫌味のない出来に仕上がっている。トヨタ/ダイハツは良い仕事をしたものだ。
 
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2016年01月17日

【試乗】新型プリウス S(4WD/CVT)売れるエコカーのカタチ

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似てる気が…

眺める
試乗前に外観を眺める。ボディカラーはスティールブロンドメタリック。新色だろうか。ジジくさいシルバーではなく渋いシルバーで悪くない。最近のトヨタフェイスを継いでいるフロントマスクはなかなかに不敵である。従来のプレーンな印象も悪くなかったが、この新型の方が現在のトヨタらしさと先端エコカーたらんとするプリウスを表現していて好ましいと思う。サイドからみると、リアにかけてのデザインが格好良い。車体が小さく凝縮されて見える。リアの処理も破綻しておらず、まとまっている。わかりやすい格好良さではないけれども、「らしさ」や、好ましいデザインとして洗練されたみのではないか。とにかく数が出るモデルで、ここまで挑戦的なルックスに仕上げてきたのは見事という他ない。

ドアを開けてシートに腰掛けると、白く明るい瀟洒な雰囲気で狭苦しくない囲まれ感である。ハンドルやドア周りの、手や腕ですぐに触れられる箇所はちょっとしたソフト素材で仕上げられている。プラスチッック丸出し領域もあるが、普通は触らない場所や、小物の出し入れが頻繁に起こるような、防水や耐久性を考慮する部分に限られている。プラスチッックとソフト素材の移行的な領域にはピアノブラック素材が奢られている。アクアと比べると歴然としている。ナビ・エアコン・コンソールパネル周りのデザインは好みではないが、特別に酷いとかチャチに見えるわけではない。嫌味なく上質に見えるインテリアに作り込まれている。ドアの閉鎖音も安っぽくない。


動かす
ブレーキを踏みながらスタートボタンを押す。静かである。
電子レバーとパーキングスイッチの操作に少し戸惑う。Dが右下でRが右上というのは、逆じゃないのかと慣れない気持ちだが、私の感覚が古いのだろう。

ドライブモードは Eco、Normal、Powerの三種類に加え、限定的にモーター走行に努めるEVモードがついている。このEVモードは、駐車場や深夜の住宅街での短時間の走行に用いるモードのようだ。ひとまずNormalにして敷地内から公道へ合流するためにアクセルを踏んでいく。あまり速度がでない。急発進させたくない意図を感じる一方、アクセルを半分ぐらい踏んでるのに前に出ないぞ!という心理的不安をおぼえる。合流や交差点での右折時に、やや速度を要する場合は、意図的に強くアクセルを踏まねばならないだろう。PowerモードにするとNA2.0L相応のレスポンスになる感じで違和感なく走らせられる。

プリウスは強力なモーターを備えるハイブリッドなので、その加速はとてのパワフルと聞いていた。高速道路の追い越し車線を営業車とレースしている場面を何度も見てきた。Powerモードだとモーターのアシストが強力に発揮され、さぞかし速いのだろうと想像していたのだが、そこまでのものではなかった。確かに、鋭い加速はみせるものの、バックレストに押し付けられるような暴力的な加速はない。これを「必要十分」とすることもできるし「求めすぎ」と断ずることもできる。答えは、前者だろう。そもそも、速さを求める人はエコカーの代名詞であるプリウスを選ばない。世にいう「かっ飛ばしているプリウス」は、そのへんを間違って買ってしまった人が、Powerモードでアクセルをベタ踏みして憂さを晴らしている…のかもしれない。

運転中の乗り心地は、トヨタ車らしい柔らかい感じであり、路面からの突き上げを感じにくい。優しい感じだ。加えて、とても静かなので、クラスの高いクルマに乗っている感がする。これで乗りごこちが硬かったら、分かりやいスポーティさと引き換えにチグハグな印象になる(だから、これで良い)。普段、自分が乗っている車とだいぶ感触が違うことに驚いた次第である。ひとつ付け加えて述べておくことがあるとすれば、試乗後半に僅かな不快感を感じ始めたことである。腹の奥、丹田あたりの内臓が、揺さぶられている違和感が出たのだ。心境を文字にすると「なんとなく気持ち悪いような…酔った?」というところ。路面からの衝撃を和らげて優しい乗り心地にしているが、その一方で、消しきれない衝撃が波動のように内臓を揺すったのだろうか。もっと長時間、乗り続ければ気のせいかどうか判断できそうだったが、それはかなわなかった。気のせいであることを祈るばかりだ。

これはちょっとした驚きであったが、ステアリングフィールが良かった。操舵時にしっかりとした重さを感じるだけでなく、ブレもなく、こちらの考え通りに曲がってくれる。大きなコーナーを旋回するように曲がりつづけて行っても、車体がフラつくとか細かく舵を修正させられることはない。大げさな減速を伴わずに、安心して曲がっていける。しばしば「運転が上手くなったと錯覚する」というやつで、上手く作り込んでいるのが伝わってきて嬉しくなる。

ブレーキは、踏んですぐ制動力が効くようなカックンかと思っていたがそこまでではなかった。ただし、リニアな感じで違和感がないブレーキとはいえない。ある程度ギューっと踏み込んでいくと急に効いてくるポイントが現れるタイプのブレーキで、これをカックンといえばそうかもしれない。回生ブレーキは、その躾が難しいようだ。同乗者を前後に揺することなく綺麗に止めるには慣れが必要だろう。すぐに慣れると思うが。

車内が広いのか狭いのか、積載性が高いか低いかまでは吟味していないが、狭苦しい感じはなかった。ゴルフバッグも4つ詰めるらしい。「とりあえず間違いのない自家用乗用車を一台、用意しよう」となったら、新型プリウスはかなり有力な選択だ。日常ユースから冠婚葬祭なんにでも嫌味がなく乗れるオールマイティさに加えて、低燃費なのだから。昔はカローラがこの役を担ったものだった(違うかも)が、今やカローラの存在感は薄く、プリウスに取って代わられた感がある。プリウスは庶民のクルマである、断ずるにはやや高額なプライスだが、これ一台に絞れば買えない価格帯のクルマではないだろう。抜群のオールマイティさと先進的な装備と安定したリセールバリューを得られることが確実な点で、買って後悔することはないだろう。もう少し実用性を、と思われる方はαの登場を待っていればよい。出ないはずがない。

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2016年01月11日

【試乗】アルトワークス(FF/5MT)「軽自動車だからこそMT」な人へのプレゼント

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4WDに比べ更に軽いFFのワークスはどんなものか気になったので試乗へ。夜間雨天。

レカロシートに腰掛ける。シートポジションを細かに調整する余裕はなかったので、そのためと思われるが、前後位置はともかく運転中のサポートを甘く感じた。腰の部分はがっつりとホールドされているものの、それより上がスッカスカで心もとない感じなのだ。これでは「レカロはオプションにして欲しい」とワークスの伝統を否定する念を払拭しきれない。試乗の際は逸る気持ちをおさえてポジショニング調整に時間を割くべきである。運転時の乗り心地は良好で、突き上げを不快に感じたりはしない。しかし、後部座席で前席と違って突き上げを強く感じるので、気になる人は後部座席に座った状態で運転してもらい、確認しておくべきである。

気のせいでは無いと思うが、ステアリングフィールが4WDのそれと違って僅かに軽く、澄明に感じられた。50Kg軽いからだろうか。シフトフィールは変わらず重めのショートストロークでゲート間の渋りもなかった。スパスパとシフトを切るタイプのものと違って頑健重厚な味付けのタイプで、私の好みに合致している。コストダウンの術に長けたスズキが、このような趣味性の高いモデルの軽自動車の、たかがシフト操作のフィーリングのためにこれほどのものを用意したことに驚きを禁じ得ない。MTの操作に作業以上のものを僅かにでも求める人なら、だれでも嬉しくなる味付けになっている。

加速は力強さを味わいながら気持ちよく行える。軽自動車なので絶対的に速いものではないが、ドライバーが安心して踏んでいきたくなる刺激ある速さに仕上がっている。1-2-3 をアクセルを強く踏んで引っ張って行くだけで面白い。すぐに60km/hに達するから、気持ちよく簡単に巡行速度に合わせられる。キビキビしたメリハリを感じられるには良いものだ。シフトアップ時にアクセルを抜いた時に微かに耳に届くターボの動作音(?)がエンスー泣かせである。一人乗車でフル加速したらスピード狂になるかもしれない。



(余談)
友人を店舗に残して試乗にでたが、店員が「今日は試乗にくる人だけで成約がねえな」と愚痴をこぼしているのが聞こえたらしい。同行の担当者が、ここのところGT-Rやその他のスポ車乗りの方がたくさん試乗いらして…と述べていたのでアルトワークスが注目のモデルであることは間違いない。スポ車系統は、発売直後は乱暴な試乗をする人が押し寄せる傾向にはありますと述べた馴染みのディーラー担当者の弁を思い出す。ひょっとしたら何か嫌な思いをしたのかもしれないし、試乗だけして帰る客が続いて機嫌が悪かったのかもしれない。愚痴を言いたくなる心情は理解できる。ただ、それはバックヤードで吐いてもらいたい。クルマは買って終わりではない。買ってから、ディーラーとの関係が深まっていくものだからだ。

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2016年01月04日

【試乗】アルトワークス(4WD/5MT) スイフトRSが買えちゃうけれど

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まとめ
ワインディングロードに出かけたくなる

短時間だが、試乗することができたので率直な感想を以下に記す。

試乗は友人が先行で、私は後部座席左側に座る(助手席にはディーラーのメカニック)。175cmの大人が座っても、頭上クリアランスは充分で狭い感じはしない。荷室はちょいと狭い。

エンジンはクラッチを踏みながらのボタンプッシュ式になっている。スズキだしワークスなのでキーレス仕様のはずがないと思っていただけに意外。エンジン始動時にはタコとスピード針が振り切れるスイープが見られる。アイドリング時のエンジンの音はハッキリと聞こえるが、うるさいとか不快なものではない。なお、MTではアイドリングストップ機構は付かない。

足回りは硬く躾けられているようで、路面の段差を乗り越えると、尻の下から鋭い突き上げがくる。アルトワークスのリアシートに快適な乗り心地を要求してはいけない。もっとも、そんな人は買わないクルマであるが。加速や巡行時の乗り心地に力強さと落ち着きを感じるので、フツーの軽自動車でない感じがする。


交代して運転席へ。
ワークス伝統のレカロシートの出来に期待したが、あまり良い印象は受けなかった。着座位置が高いことと、ホールド性がやや乏しく感じられたからである。座り心地は極めて良好なので腰痛は起こしにくそうである。

クラッチは軽めで反力が強い。シフトフィールは軽自動車らしからぬゴリッとした重さのショートストローク。クラッチのミートポイントはペダルを戻してちょっとのところにある。半クラ領域はかなり広く、エンストしにくい。クラッチ操作に気難しさはないので、久しぶりにMTに乗る人も大丈夫だろう。MTの操作にスポーツ性を持たせた上で万人向けの扱いやすさを加味している感じ。かなり良いバランスに仕上がっているので、MTが好きな人は嬉しくなるはずだ。このミッションをカプチーノ後継機に載せてもらいたいものだ。なお、フットレストはない。クラッチペダルの位置と空間の関係のためだろうか。

軽量自慢の新型アルトも、4WDの5MTの車体重量は720Kgになる。FFのそれが670Kgなので意外に差がある。それでも、現行の軽自動車群の中では軽量クラスなのでその動力には期待がかかる。

新車同然の試乗車でのアクセル全開走行は憚られたので、公道での常識的な範囲を逸脱しないレベルでの加速を試したところ、かなり力強い加速をみせてくれた。一人乗車でフル加速したら凄そうだ。エンジンはピーキーでもドッカンでもなんでもなく、アクセルを踏めば踏むほどパワーがついてくる。昨今のダウンサイジングターボな躾具合。ターボラグが分からないのでスーチャーのようである。MTはシフトチェンジ時にはアクセルを抜くわけだが、その時に小さく「ハァ…」と過給の音が小さく聞こえてくる。

リアシートでは乗り心地の硬さが気になったものの、運転席では気にならない。ドッシリとした乗り心地で安心だなあと感じるのでむしろ快適である。

ステアリングはやや重めで、わずかにクイックな味付けのように感じた。中立付近での遊びであろうが、グラグラ感じるところが気になった。

ナビが収まっているであろう場所が空洞だったので、添乗員に訊ねると、アルトワークスはオーディオレス仕様とのことである。ワークスにそんな快適装備はいらねえぜ!という硬派なる気概かと思ったが、よくみるとカーボン調加飾やウインドウスイッチ周囲のピアノブラック加飾が奢られていたりする。スズキにしては頑張ったと評価するべきかそんなもん省いて安くせい!というべきか。

試乗車のボディカラーはピュアレッドであった。あまり似合ってない。
21600円高になるが、アルトワークスはスチールシルバーメタリックが最も格好いいのではないだろか。

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2015年11月17日

【試乗】FD3S RX-7 TypeRB (FR/5MT)新型RX-7に期待を馳せて

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仕事で知り合いになった方の所有車。
「最終後期型のまんなかのグレード」とのこと。どノーマル仕様。走行距離4万ちょと。この度、乗せてもらえる機会に恵まれたので、短い試乗ではあったが、感じたままのことを述べておきたい。

どうぞ好きに乗り回して下さい、とキーを渡されるも、他人のクルマをいきなり運転するのは怖いので助手席にのって、ぐるりをドライブしてもらうことにした。

着座位置は低く、足を投げ出すスポーツ車スタイルであるから、シートに座るだけで普通のクルマでない感覚を味わえる。昔に乗っていたNC1を懐かしく思い出す。ドアノブとウインドウ開閉スイッチのデザインがイカス。

爆音をたてるのだろうかと予想していたものの、エンジンは静かであった。アイドリング時に振動も何も感じない。流石ロータリーエンジンである。

「昔は、たまに峠を攻めたりした」と述べるオーナーは、果たして、湖畔のワインディングロードを低速ギアで攻め抜ける。この道は自然豊かで景観もよく、適度にコーナーが連続してあって勾配や起伏も少ないので、緩く流すようにドライブするのに向いた道である。とはいえ、昔からある道つきものの「現代のクルマ事情からみると狭い道路」であり、ガードレールもない。道路脇にはむき出しのドブ溝つき。無茶な走りをするにはリスクが伴う。常時60km/hを維持してコーナーを駆け抜けて行くぐらいが、軽快で同乗者も不安を覚えないような速度になる。

さてこの道を、オーナーはちょいと述べることのできない速度で駆け抜けていった。助手席に座る私は、怖いといえば怖いけれども、車体が遠心に振られるとか、揺すられるといった、体感的に不安が想起される挙動を感じることはなかった。重心が低いのが効いているのが分かる。以前に試乗の機会に恵まれたケイマンGTSもこのような感じだった。何がどうなっているのやら、地面にへばりついてまま高速で駆け抜けて行く一方、車体に余計な揺れや軋みが全くない。これは信頼できるクルマだ。15年も前のクルマだなんて信じられない。

おそらく遠慮した走らせ方なので、本来はもっと凄い速度で駆け抜けられるのは間違いない。ただ、そこまで攻めると助手席の人が根をあげるのでやらないのである。スポーツカーはデートカーにあらず。ドライバーがストイックに走らせられることを追求して設計されているのであって、助手席など荷物置き場で良いのである。この程度の道なら100km/hで駆け抜けることができるだろうが、危険な道交法違反なのでNG。あまりにも持て余したこの走りの性能は、サーキットで発揮させればよい。安全であるし、違法行為ではないのだから心の底から楽しめる。

適当な駐車場で交代し、もと来た道を帰る。
クラッチは予想していたほど重くはなく、ミートポイントもわかりやすい素直な味付け。坂道発進ちょっと回しすぎて緊張した程度。ロータリーは低速トルクが貧弱でエンストしやすい印象があり、エンストをこかないが心配したが杞憂であった。線が細い感じは確かにあるが、だからと言って発進が気難しいことはないわけで、このあたりはRX-8の方がシビアだったかに思う。

2速で回し切れば100km/h超えますよとのことだが、怖くて踏む気になれない。このとき、目の前に40km/hほどのタクシーが走っていた。急加速してパスしていくことは容易だろうが、追い越しに適した道ではないし、なにより他人のクルマでそれはできない。速く走らせられることは分かっているので、町乗り速度でどのような走りかを贅沢に味わうことにした。いいクルマは、速く走らせてものんびり走らせても、どちらにしろ心地よいものである。4速40km/hで巡航するRX-7は、しかし、実に乗り心地がよく、その安定した走りを尻で味わえる極めて贅沢なマシンなのであった。速く走っている姿が似合うのは間違いないが、速く走らせなくてはならない道理があるわけではない。私自身が、どちらかといえばのんびりめのドライブが好きなこともある。ひとつ確かなのは、RX-7は低速でも快適で走らせて楽しい素晴らしいクルマである。

ステアリングは重めで、ドッシリとしている。地面に強く脚を張っている分、重いのだろうか。油圧式のはず。故障したので修理したらしい。切った分が、きちんとした半力を伝えながら車体をスパッと曲げる。贔屓目にみてしまうが、素晴らしい味付けである。

MT好きとしては、シフトフィールが気になるところだが、金属的な変速感を伴う重めの味付けでクルマに合っている。ギアボックス直結なので、掌にシフトノブからの振動が静かに伝わってくるのがたまらなく気持ち良い。5MTと聞くと6MTがフツーになったイマドキ基準ではちょっと物足りなく思えるが、変な渋りもなく、走らせて不満を覚えることはない。コンサバな5MTだからこそ、実現できる良さであろうか。クラッチの適度な重さを味わいながら変速するのは、それだけで楽しい。

ガレージ所有でたまに走らせる分には、それほど維持費はかからないとのことであるが、マイカー二台持ちが前提というか、平均以上に裕福でなければ難しい。

任意保険料がMAXで、ガスガズラーで、常にエンジンオイルやアペックスシール抜けを心配し、電装系の故障に備えなくてはならないこのクルマは普通ではない。よくいえばロマンの塊、悪くいえばスキモノ用の趣味車である。実燃費が悪夢同然お数値だとしても、これだけのクルマ走らせられるなら宜なるかな。実際に乗って走らせてみると、わかる。これは所有したくなる。もっと走らせたくなる。目的地についても走り足らない。高くつく維持費は、オーナーの絶大な所有欲と誇りの引き換えである。

RX-7に乗っている人が、次になにに乗るのか。答えはないままだ。
素晴らしいエクステリア、低く小さな車体、ロータリーターボを硬派に武装する足回りと動力性能。これには替えがない。ケイマンが近い気がするが、駆動方式も違うし、ロータリーではない。難民にならざるを得ない。次期RX-7であろうコンセプトモデルRX-VISIONの発表に心踊るばかりである。

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2015年09月23日

【試乗】プレマシー 20s プレステージスタイルII(FF/5AT)

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プレマシーはスライドドアを備えた7人乗りミニバンである。ミニバンといえば、トヨタ・ノア/VOXYや日産・セレナ、ホンダ・ステップワゴンらが有名である。プレマシーはマツダが販売しているミニバンのひとつである。海外ではMazda5の名称で売られている。私の両親が乗っているクルマでもある。
久しくして運転する機会が得られたので、思うところを述べたい。

結論から述べると、このプレマシー、とてもいい車である。ミニバンの購入を検討されている人は候補に入れると良い。長所と短所、特徴を理解した上で購入すれば倦まず後悔せず長く乗り続けられるモデルになる。

まず、プレマシーはミニバンであるから、その時点で妥協しなくてはならないポイントがでてくる。「ファミリーカー」を否定できないルックスと走りになるのはやむをえない。そこは仕切りなおしだ。格好良さや速さを求めるのではなく、スライドドアや3列シートが備わることで何が得られるかを考慮しなくてはならない。自分の家族や友人や荷物を載せて移動することが多くなるだろうが、その上で、プレマシーは貴方の要件を満たすだろうか?ドライビングプレジャーは二の次である。

そうすると

・7人フル乗車の際の動力性能に満足できるか
・同乗者に快適な乗り心地を提供できるか
・同乗者との会話に支障をきたさない静粛性が確保されているか
・スライドドアが有益か

こういった点が考慮されるポイントとして浮かび上がってくるだろう。
多人数で移動するうえで長距離の移動に向いているかどうかが重要であるし、チャイルドシートの装着があるのならスライドドアはありがたい機構だ(無くてはならないわけではないが、あると便利)。

20Sはレギュラーガソリン仕様の2L直4で150馬力、19.0kgmのエンジンであり、車体重量が約1500kg。ここから推測されるのは、一人で運転する場合は過不足がなくとも、人数や荷物が加わった場合に非力さに悩まされるスペックであろうということである。実際に、その通りである。大人3人以上の乗車になると、坂道あたりを快適に走らせるのがきつくなりはじめるのが分かる。

モアパワー・モアスピードを得ようと、ギアを低くしてアクセルを踏み込むとエンジンが凄い音を出す。パワーも、ついてくる。これで、一応は満足のいく速さが得られるだろう。ただ、一時のことである。同乗者を喜ばせるほどの快音でもなんでもないので、そのまま走らせ続けることはかなわないからである。同乗者が次々に不安と不満を口にするだろう。マツダのクルマだからといって、プレマシーにスポーティな動力性能があると思わないほうがよい。オラオラと速く走らせるクルマではない。

ブレーキは癖がある。利くのだが、しっかり利かせようとするにはキチンと踏み込まないといけない。制動力の高いブレーキやカックン傾向のブレーキに慣れていると、プレマシーのブレーキは弱く感じる。ブレーキペダルをしっかり踏み込めば利くように躾けられているだけなのだが、ドライバーが観念として捉えている以上に強く踏むことを求められることが強いられていることが原因だろうと思われる。ブレーキの利きとその味付けの確認は極めて重要である。


乗り心地は、このクラスでは随一の良さではなかろうか。ドライバーだけでなく、同乗者にとっても優しい乗り心地だ。マツダだからといって乗り心地が硬いわけではないのだ。走行時のふらつきも殆ど無い。ロードノイズがやや目立つのが惜しいところだが、これはマツダ車の持病というか特徴でもある。

スライドドアは、やはりチャイルドシート装着を考えるとありがたいアイテムだ。赤ちゃんの乗せ降ろしが、ヒンジドアに比べて楽なのだ。ただ、シート座面から頭上の空間の高さは低めであるから、腰を屈める必要はでるだろう。このへんはハイト系ミニバンにはかなわない。
なお、スライドドアであれば子どものドアパンチ防止に有用だとも言われるが、私はそれは半分、間違っていると思う。確かにドアパンチのリスクはなくなるだろう。けれど、スライドドアから飛び出した子どもが他の車に轢かれるかもしれない。子どもの乗降には、常に保護者が付き添うものであるべきだ。そのことが、事故やドアパンチを防止するのである。

ステアリングフィールは素直な感じが好感触。わずかに重めにした味付けが良い。言っていれば、動力性能同様に刺激性に乏しい味付けでもあるのだが、この自然な感じは、運転を飽きさせることがない。

プレマシーは、エクステリアをみればわかるとおり、「箱型」していないミニバンである。室内空間とドア開口時の高さを犠牲にしているとも言える。ミニバンのセオリーからいえばマイナス点であろう。しかし、このようなスタイルのミニバンを求める人は少数派にしろ確実に存在する。典型的な箱型をしていないミニバンをあえて選択することを望む心理が垣間みえる。

不満点を述べるなら、ややチープなインテリアとMTがないことだ。
値段を考えればインテリアに文句をつけるのも野暮なのだが、シフト周りを中心にどうにも安っぽいプラスチックが残念だ。シンプル基調なのはマツダ・インテリアの美点だが、デザインと材質が安っぽければ悲惨さ一直線である。

もうひとつは、このプレマシーにMT設定があればという願望だ。
今時のミニバンは、商用バンを除いてMTは存在しない。あって、ワゴンである。ワゴンは、スライドドアではない。ミニバンを選ぶべきだろうけれど、ATしかないのはちょっと…と考える人もいるはずだ。このプレマシーにMTの設定があれば、よりユニークであっただろう(海外では設定されていたのだが)。

時期プレマシーにはSKY-D搭載モデルが用意されるのは間違いないから、併せてSKY-MTも設定されるのではないか。箱型ではなく、流麗なエクステリアで、スライドドアで、燃費も申し分なく、MTが選択できる、そんな新型プレマシーの登場を期待してしまう。今のマツダなので値引きや価格には期待できないだろうし、バカ売れすることもないだろうが、マツダでないと出せないのもプレマシーだろう。新型プレマシーのアナウンスを心待ちにするばかりだ。

そのまえにCX-9が登場するかもしれない。新型アクセラのMCはどうなった?




posted by ぎゅんた at 12:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 試乗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする