2018年06月21日

わたモテ感想[喪136]モテないし漫画を薦める


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Proof that Yuri-chan has a emotion.
今江先輩と別れた卒業式の日に、もこっちはゆりちゃんの前で(直接的な描写はないが間違いなく)涙をみせました。読者も、泣きました。泣くというのは、言葉にならない情動に突き動かされた感情の発露であります。嬉しさ、悲しさ、悔恨、申し訳なさ……胸の中いっぱいに広がった感情が爆発すると人は涙を流します。これは、ひどく人間的な現象です。

「目から流れ出るこの水はなんだ」とロボットが自問するシーンがあったりしますが、あれもまた、泣くという行為が人間に特有の現象であることを逆手にとった演出といえます。どんな悪人の目にも涙で、泣くということは、その人が最低限のところで人間らしさを保っていることの証明にも用いられましょう。


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今回はゆりちゃんがもこっちに救われる場面が描かれる話です。私はゆりちゃんの抱えていた孤独感に胸が締め付けられました。と同時に、香魚子先生の名作『シトラス』の第8話を思い出しました。

自分を理解してくれる人を誰よりも欲している孤独な心と、純真に自分を見ていた人が居てくれたことへの救いの気持ちが交差する展開は古典的ながら胸を打つヒューマニズムに溢れています。


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最近のゆりちゃんは表情筋がないキャラクタとして描かれており、いかにも無感情な陰キャラ然としておりますが、それはただ感情を表情に出さないだけなのです。泣く、というのは確かに人間的で感情豊かなことだけれど、泣けるという触れ込みで読んでみた漫画で泣けなかったとしても、自分が間違っているわけでも、気持ちを共有できなかったことから友達に拒絶される理由にもなりはしない。

思えば、ゆりちゃんは喜怒哀楽にまつわる感情の発露を指摘されると、それを即座に否定する振る舞いをみせています。笑ってないよ。びびってないよ。別に嫌ではないけど……。(涙目に)なってないよ。

元来、ゆりちゃんは喜怒哀楽がハッキリとした表情の豊かな子だったにではないかと思いました。そんなゆりちゃんを、南さんのような人物から攻撃材料にされてイジメられたかイザコザがあったりして、感情を表に出すことを一切しないようになったのかもしれません。喜怒哀楽を表に出さず、指摘されても肯定せず。

ゆりちゃんと付き合いの長い真子さんにしても、ゆりちゃんが楽しそうとか嬉しそうとか気づいたとしても、それを口に出して確認をとることはありません。無碍に否定されるだけで、意味がない会話だと悟っているかのようです。

無感情一徹な人間と一緒に居たいと考える人はいないものです。不気味で、退屈で、居心地が悪いんことを、誰しもことを経験的に知っているからです。ゆりちゃんの周りにいた友達は、真子さんを残してみんな去っていった過去があったりすると、いよいよ辛い。


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昨今、囁かれる話題として「登場初期のゆりちゃんは人間的だったじゃないか。いまと別人だ。バージョン違いか?」疑惑があります。

修学旅行のときは、班員編成で真子さんに裏切られて心理的に自暴自棄になっていたので、全く見知らぬ相手同士だったことも幸いして案外に上手くコミュニケーションが取れていたのでしょう。人間関係が下心も親愛の情もなにもない、呉越同舟的なフラットな状態であれば、社会不適応者でもなければ最低限度の礼節をもって団体行動がとれるものだからです(即席パーティであれども案外に上手くいく法則)。

そしてまた、修学旅行で同じ班になったことを通じて、黒木さんが馬鹿でボッチなコミュ障であると知りました。黒木さんになら自分の姿を出しても問題はなさそうだと、ゆりちゃんが判断するキッカケになったことでしょうし、以降それをして「私は黒木さんって無理して話さなくていいから楽だけど 黒木さんはどう思ってるんだろ……」と自覚まじりにもこっちの存在を意識し始めることになっていきます。その後は、色々と思い知る事があったことが原因で、ゆりちゃんはもこっちにも喜怒哀楽を見せなくなっていった流れのように思います。




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「男を見極めるには本棚をみればいい、女を見極めるには台所のスパイス棚をみればいい(西洋の格言)」
本棚にストックされる本は、単純に持ち主が気に入っている本および紐解くことが多い本を意味します。類は友を呼ぶではありませんが、本棚に並んでいく本は、その選定に所有者としての共通項を隠し通す事ができないものです。言い換えれば、どのような本を嗜むかによって、その持ち主の人となりが知れるというわけです。他人に本を推して貸すという行為は、間接的な自己紹介の面があると言えそうです。

ゆうちゃんで実地確認をしたにせよ、もこっちがクラスメイトに漫画を貸す日が来るとは、隔世の感があります。この漫画は良いと思っていることを他人と共有したい気持ちの表れでもあり、自分の好みの告白でもあるからです。初期の頃から追いかけているファンは、もこっちの成長を感じられたことでしょう。

もこっちが他人に本を推薦する姿は[喪109]でもみられました。あのエピソードが好きなファンの方は多いと思います。帰宅したもこっちが「行かなきゃ良かった とも思わないけど…」と確かな達成感を伴うからこそのセリフを、静かそうな雪の日の情景の中に溶け込ませた演出が印象的だからです。


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思えば、もこっちはもう主人公として十分に成長しきってしまったかのような印象を受けます。ぼっちが墓穴を掘って痛々しい目にあったり、読者をドン引かせる振る舞いもしないでしょう。周りのキャラクターに振り回されつつも、無自覚な振る舞いがスマートな解決策となって世界を補強していき、そのまま最終回になだれ込んでいく展開が約束されているように思えます。

今更、現在のもこっちの人間関係が壊滅してぼっちに戻ったりもしないだろうし(一種の仮定法未来として、南さんで示されるかもしれない)、初期の路線に戻ることも考えられないからです。

いずれにせよ、ゆりちゃんはもこっちにあだ名及び名前で呼ばれることになるイベントを残したままです。あと数話もすれば、それが描かれるエピソードが訪れるのではないでしょうか。

ポジション・トークですが、このふたりは「ゆり⇆黒木さん」呼びがらしくて良いなあと思います。「ゆり」呼びされたゆりちゃんが「(喜んでるか?)嬉しいの?」ともこっちに訊かれ、肯定とともに笑顔を見せる姿が浮かびます。ゆりちゃん萌え〜

ゆりちゃんは、やっぱ、いいなあ…

ラベル:わたモテ
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2018年05月24日

わたモテ感想[喪135]モテないし仮面をかぶる


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昼食会は前後篇でオチがついて終わりだったようで、新しい話に切り替わりました。1ページ目からもこっちの描写のみスタートで、新鮮な印象を受けます。新たな日常回の始まりを連想させてくれます。

ここのところ「わたモテだよ全員集合!」とばりに登場キャラクター密度の高い話が続き、もこっちは相対的に傍観者のような立ち位置になっていました。

今回の話を既に読まれている読者諸氏の皆さんは既にご存知のように、今回はゆりちゃんは台詞なし2コマだけのモブキャラみたいな描写のみの登場でした。そういうこともあるやろで片付くコトかもしれません。ただ、私は、新たな日常回の始まりを予期させる上で、これは一抹の不安を拭いきないスタートであるように感じました。なにより、登校時にゆりちゃんがもこっちといない様子なのですから。

もっとも、いつも一緒に登校しているとは限りませんし、そもそもゆりちゃんがもこっちを誘って登校しているのか?と考えると、そうは思えない。ゆりちゃんは、もこっちと登校したいと思っていても「通学路で偶然に出会って、一緒に教室まで行く流れ」こそ尊重すれども、自分から誘ったり待ち合わせたりして登校することはあえて選択しないと思うからです。偶然、黒木さんに出会えるように歩む速度を調整したりするのがせいぜいなのではないでしょうか。



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そんなわけで、もこっちはゆりちゃんより先に教室に入っていたのだ

雑多な教室で、たとえ近距離であれどシャカシャカと音漏れをしているイヤホンは、比較的大きな音量を示唆するものです。通学路から教室まで、ゆりちゃんは外界との接触をシャットアウトしていたからに他なりません。たぶん、昔からの変わらないスタイル。

元々ゆりちゃんは教室でも1人で音楽を聴いているキャラクタでありました。修学旅行で班員となり、一緒に行動し、仲良くなっていき、2年生の後半では多くの場面でもこっちと一緒にいました。

あの頃がゆりちゃんの黄金期だった、と過去形にするわけにはいきませんが、ただ、最近のゆりちゃんがゆりちゃんにとって不遇であるのもまた事実。これには色々な要因が考えられますが、ひとつはもこっちが成長して先に行ってしまい、そこに他のキャラクターが絡み始めてきたことが挙げられましょう。次に、ゆりちゃんが痛々しい陰キャラであることの作者の意識的な描写です。これらは、好意的に解釈するなら最終的にゆりちゃんが救われる展開への「溜め」がため、ということになります。ゆりちゃんをここまで登場させてきておいて、今後、使い捨てのようにポイ捨てする展開はないと思うからです。

主人公であるもこっちにしても、ゆりちゃんとばかり絡んでいられないストーリー上の事情があります。それがないと、百合チック日常系漫画として埋没しかねないからです。

また、本質的に陽キャラでないにしても、もう少し自ら行動しないと人間関係では損をしちゃうよ、というありがちであれども大切な教唆が込められているようにも思えます。



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乱入するにはガッツが足りない!(っぽい)ゆりちゃん

人間関係というのは、誰であっても不器用な過ちをしてしまうもの。相手とぶつかって理解しあっていく場面はいつになっても訪れる。ゆりちゃんが考えているほど、周りの人間は怖くもないし意地悪でもないし、絡んではいけない危険人物でもない。そしてまた、ゆりちゃんに関心があるわけでもない。

「狭く深く」の人間関係には尊い価値がありますし、人は最終的には本当に親しい気の置けない数人とばかり過ごすことになっていく。さはさりながら、その価値をより強く認識していくには、必ずや他人を介した幾多のガイダンスが必要となります。

私は、最近のゆりちゃんを見ていて胸が苦しくなります。嫌いな相手は嫌いなままでいいけれども、敵意なく好意に近い態度を向けてくれる相手には、自らぶつかって仲良くなっていけばよいと偉そうに伝えたくなる衝動が駆け巡るからです。「ネモに絡んでいる最近のゆりちゃんの態度がそれ」なのかもしれませんが、ちぃとばかしズレていることぐらいは、ゆりちゃん自身も分かっているはず。そうじゃなくてこうだよね、と気づいて欲しい気持ちを抱きながら諭したい心境になるのです。コミュニケーションは、そんなに難しいことだらけじゃないんだよと。それは、自分が通って来た過ちの道であったと今更ながらに自覚しているからに他なりません。

本来的には、これは真子さんに与えられた役割なのでしょうけれども、最近の真子さんは南さんの世話で手一杯の様子です。吉田さんはいい意味でゆりちゃんに無関心で、動かないゆりちゃんのフォローはしないはず。

なんらかのきっかけ(もこっちに与えられるであろう役割)を要するであろうにしても、ゆりちゃん自身が気づき、開眼し、動く必要がある。別にそれは義務ではないから、動かなくても構わないのですが、そうするとゆりちゃんは「わたモテ」の世界からフェードアウトさせられることになるでしょう。私は死ぬ。






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え!?そうなの?(目から鱗

ところで、今回はもこっちにとってネモが背中を預けられる相手になりつつあることが分かる回でしたね。イタくてダサくて笑われるかもしれないチャレンジに躊躇しつつある黒木さんを「笑わないよ 絶対」と強く受け止めたネモがいたからこそですものね。

人を動かす」ではありませんが、他人に信頼されることは、我々が生きる上での絶対の喜びであります。それが、親しくなりたい相手からのドストレートなものあれば尚更のこと。「学校でもバレない!赤リップつやっぽメイク」が忠実に再現されたもこっちの姿のせいで、無常の喜びが有耶無耶にされてしまったところがコメディですが、きっとその日の夜、ネモは満たされた気持ちでジタバタするのだろうと読者の頬も緩みます。

もこっちとネモは、もうお互いの距離感が取れたも同然のところまで来たようです。

ちょっとしょっぱいことがあっても、「まあネモが(クロが)そうなら、いいか…」みたいな、LOSE-LOSEで問題ない関係というか。損得抜きの、仲のいい友人であればこその関係に自然に移行しているというか。

ネモは今後しばらくはヒロイン路線をひた走ってくれそうな気配。進路も声優志望ですから、もこっちの進路がどうであれ、いよいよストーリーに絡みまくることは堅いですしね。話を強引に掻っ攫っていく加藤さんもまた、グイグイと絡んでくることになるでしょう。

ネモと加藤さんを苦手とするゆりちゃんは、どうしても辛い展開が待ち受けているように思えてなりません。ゆうちゃんや小宮山さんと友人関係を築きあげたりするのか、もこっちを含めてGW中に出かけるイベントが起きるのか、それとも二軍落ちしてしまうのか。

私にできるのは、今後の展開をそぞろ待ちわびるだけです。更新が待ち遠しくて仕方がありません。

え、次の更新は6/21?


まとめ
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ゆりちゃん萌え〜

ゆりちゃんは、やっぱ、いいなあ…






オマケ
Q.加藤さんは誰からもこっちの携帯番号を?

携帯の電話番号は、言ってみればセミ・プライバシー情報。誰から知ったんだろう?と、もこっちが狼狽えるのも道理。

予想できるのは小宮山さんか真子さんのどちらかですが、消去法で真子さんかなと思います。大穴でゆりちゃん。

小宮山さんは「知っているけれど、アイツの許可がないと…」と加藤さん相手でもひとまずのNoを突きつける古風な義理堅さというか、クソ虫のことであれども、多少のお堅い常識を優先するタイプだと思うからです。

真子さんは、加藤さんがもこっちと仲良くなろうとしている気持ちを知れば喜んで教えるでしょう。なにより優しい子だからです。

もっとも、結果的にOKだったにせよ、本来はやはり本人の許可がいる行為だと思われます。不名誉な「裏切りキャラ」の汚名が、またしても真子さんに降りかかる……。
ラベル:わたモテ
posted by ぎゅんた at 23:51| Comment(1) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月10日

わたモテ感想[喪134]モテないし周りは騒がしい


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モーさんキーホルダーの行方は…?


今回は予想に反して前回の続きでした。

「周りは騒がしい」というか、小宮山さんがらみで学食がメチャメチャです。
出禁ものなのでは……

ギャグ回ですが、ゆりちゃんに関しては、今後の辛い展開の訪れが予想される流れに思えてならず、不穏な感じを受けました。




(騒動に)無関心のゆりちゃん
ゆりちゃんはほとんど蚊帳の外で、さしたる動きはありませんでした。前回の態度のまま延長戦にもつれ込んでいるのですから当然です。

咄嗟とはいえ小宮山さんが「その智貴くんは私の親友の弟で……」と発言していたり、吉田さんが胸を触られ(握られて)赤面の末、小宮山さんの肚に鉄拳を叩き込んだりしていますが真顔のまま相好を崩しません。なんという壊れメンタル。興味のないことは極力シャットアウトしているのでしょう。今のゆりちゃんはネモへの「牽制」でいっぱいいっぱいだからです。


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少食のゆりちゃん

もしくは、「自分が信じることへの絶対の確信」がそうさせているのかもしれません。

ゆりちゃんの中では、修学旅行4人組の友好関係は絶対。黒木さんが馬鹿なのも、真子さんが優しいくお節介を焼いてくれることも、吉田さんが暴力系キャラであっても加減を知っていることも、少なくともゆりちゃんの中では、その理解に確信がある。

とはいえ「親しき間柄でも礼儀あり」で、人間は一面性だけで理解しきれる単純な情動動物ではありませんから、現時点のゆりちゃんの「理解」には、精神的な信仰に近いだけの脆さを兼ね合わせています。

もしその理解が違えばゆりちゃんは動揺するでしょうし、また、往々にしてこのようなケースでは「裏切られた」と一方的な解釈と都合で激昂したりする。

今回のゆりちゃんの姿を見て、私はそう思いました。なんらかの形でゆりちゃんはもこっち(ないしは他のメンバーと)と仲違いをするのではないかと。不安定なガードレールの上を歩いていれば 、もしかしたら車道側に落ちてしまうかもしれないからです。


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ネモも返事をしてゆりちゃんに絡めばいいと思うんですけども…遠慮してるんですかね

真子さんは、なんら事態に動じないゆりちゃんに喝を入れて大好きな吉田さんを追おうとします。内心、「まるで成長していない……」と思っていたであろうことは想像に難くありませんし、なぜ吉田さんが心配でないのか?と、さしもの真子さんもゆりちゃんを理解しきれていないのではないかと思われます。

ゆりちゃんは、作中では描かれていませんが、LINEでゆうちゃんに「今日の黒木さん」報告をしているのかもしれません。ゆうちゃんは、ゆりちゃんがもこっちを好きなことを分かっていますし、対話というよりもゆりちゃん側からの一方的な「報告」であっても聞き役に徹していることでしょう。そのことが悪い意味でゆりちゃんのネモに対する態度に転換されているのかもしれない。

ゆりちゃんは今の自分をどう評価しているのでしょう。読者からすると、「これだけ仲がいいから私は特別なんだ」アピールを繰り返す精神的に幼い女の子の印象を受けます。そこまで客観的にみれていなくとも、自分らしくないとか、不自然な行動をとっている程度の違和感を感じていると良いのですが……

そこまでには至っておらず、後々に誤解が原因で致命的な仲違いが発生し、今のキバ子のように交友関係が崩れてしまう事態に繋がっていくのではないかと懸念してしまいます。


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加藤さんにデレるもこっちを横目で睨むゆりちゃんと微笑むネモの違い

今のゆりちゃんは、もこっちを奪われたくない気持ちで色々と不安定なのですね。

そんな躍起にならなくても「ゆりちゃん-黒木さん」ラインは不変なままなのですが、ゆりちゃん本人が、黒木さんを盗られる不安に苛まれているものですから、牽制もするし嫉妬もする。日々の学校生活を気もそぞろに過ごしているのだろうと思うと胸が痛いです。もこっちと一緒に帰宅できているんでしょうか?

最後の「中庭昼食会」のコマでゆりちゃんが加藤さんの方をみています。ゆりちゃんはネモには絡めても加藤さんには一方的な苦手意識があって絡めないでしょう。ですから、目下のところ加藤さんにデレるもこっちをどうにもできません。羨ましいと思ったり、弄ばれているだけだとおもったりえ、ゆりちゃんの心の中は嵐が吹き荒れていそうです。

『わたモテ』では、全て加藤さんがいいところを掻っ攫っていくところがあります。
キバ子にしても、もしかしたら窮地に陥ってしまうゆりちゃんにしても、加藤さんに救われる展開が今後、見られるかもしれません。もこっちと一緒に加藤さんによしよしされてネンゴロになっちゃうゆりちゃんの姿が見られたりするかも。ゆりちゃん萌え〜

ゆりちゃんは、やっぱ、いいなあ……





!?
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マー坊


単行本のおまけページが楽しみですね。
 
ラベル:わたモテ
posted by ぎゅんた at 22:41| Comment(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月26日

わたモテ感想[喪133]モテないしつながっていく

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わたモテの登場人物の中で、誰が一番いい女か?」という問いがあった時、私は「小宮山さん」と即答します。ゆりちゃんが大好きですけれども、「いい女」で言えば小宮山さんには敵わないからです。

しかし、今回の話でその確信に揺らぎが生じ始めました。もこっちは以前、ゆうちゃんに向かって小宮山さんを「汚れ芸人だから」と例えていた場面がありました。さすがは黒木さん、本質を突く例えを…と私は膝を打ち関心したものであります。もこっちに語らせていることからも、作者が小宮山さんの方向性を確信した瞬間でもあったのでしょう。

従って、小宮山さんがクラスアップしたギャグキャラ担当になってしまうであろうこともまた宜なるかな、と思っていたものであります。しかしそれが今回とは。小宮山さんは『わたモテ』にとっては、地味に節目を抑えてくる重要キャラクターなのです。色々と話をぶっ壊して、コメディパラメーターを振り切らせてくれます。濃すぎ。



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タイトルにある「つながっていく」は意味深というか、往時から育て上げてきた人間関係の萌芽が、いよいよ一斉に開花して、あたかも化学反応を起こしまくっていく展開を確信させるものであります。いまの人間関係っぷりもチャンプルってますが、そこに小宮山さんと伊藤さん、智貴くんが加わることは手堅いですね。どうなってしまうのか。

傑作FPSゲーム『S.T.A.L.K.E.R. SHADOW OF CHERNOBYL』で体験できるように、丸裸で広大な世界にほっぽり出されて、手探りでその世界のルールを理解し始め、少しづつ立ち回れるようになっていくと知的好奇心と昂奮がカクテルされて面白くてたまらなくなる瞬間に出会うものです。

思えば『わたモテ』も作風が少しずつライトな方向に変わってきました。初期の頃に読んでいて、脱落した人がいたとして、その人が最近の『わたモテ』を読んだら、驚愕することでしょう。やや意図的に不自然に百合ハーレム要素が含まれている最近の『わたモテ』の作風に対して、私は思わないところがないわけではないけれども、それでも、漫画作品としての面白さは過去の時代のそれに比べて段違いのレベルに昇華している。短いページの中に、世界観が精緻に練りこまれたシナリオと嫌味のない清潔な絵柄からなる『わたモテ』は、もはや比肩する作品のない熟練のコメディ漫画になった。月に一度や二度の更新日を、心の底から本当に待ち遠しく思っているファンの数を、私は伺い知ることができない。





Here comes a new challenger!(デデン♪

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もこっち・ネモ・岡田さんたちは食券購入時に鉢合わせた小宮山さん・伊藤さんと一緒のテーブルで食事を共にします。もこっちと小宮山さんの掛け合いのような仲をタネに話は膨らみ、やがてもこっちが口にした「弟」のキーワードにネモが反応します。ネモは智貴くんのことに限らず、中学時代のもこっちのことも含めて知らないことが結構あるのですね。

「あんまお姉ちゃんて感じしないねー」

私はクロのこと全然、知らないんだなぁ……とネモが少なからず小宮山さんに嫉妬したからでしょう。
いつもの煽り調なこのセリフにその一端が伺い知れます。もこっちと小宮山さんが表面上はさておき、根っこの部分でとても相性が良いことを見抜いたのです。

この発言をしたネモは、もこっちに「うるせえよ」と言われたい心理があったに違いありません。

ネモは、もこっちの地の部分が常に発露した上での気の置けない間柄になりたいと思っているからです。小難しいことはない。もこっちと小宮山さんのように、第三者から見るととても仲が良い2人というのは羨ましいのです。

そんなネモの心理など露知らず、

「根元さん しらなかったんだ 私は会ったことあるけど」

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煽り発言ごと乱入してくる突然のゆりちゃんにネモ狼狽。「あ、あんたは〜っ!」ってなところ。

「ゆり、自分で誘わせておいて…」とでも言いたげな真子さんも狼狽。吉田さんは「今日のオススメ 幕カレー」を食べながら、やりとりを眺めています。もこっちは視線が左上ですから、「いつ会ってたっけ?」と記憶を辿っているのでしょう(でも、思い当たるところがない。だから「初耳だが…」なのですね。[喪123]で、もこっちは現場にいませんでしたし「あの時」のことは結局、誰からも伝えられなかったのでしょう)。

なんでしょう、ネモとゆりちゃんのこの様相は。ネット用語でいう「マウントを取る」というやつでしょうか。

非物理で攻撃的ゆりちゃんというのは新鮮なような気がします。ただ、攻撃対象であるネモに対して、意図的に嫉妬させたり優位に立ちたいと考えての行動とは、少々、考えにくい。

ゆりちゃんはネズミーのナイトパレードの最中、ネモと会話をしました。

あのときネモは「でも今は違う。これからは田村さんが嫌でも絡んでいくよ」と宣言しました。今回のゆりちゃんのネモへの姿勢の謎はここに端を発しております。

「根元さんは、私が嫌がっても絡んでくるっていうし、私も根元さんが嫌がるように絡めばいいのかな」とゆりちゃん回路で合点している気がします。興味がなければ話しかけもしないゆりちゃんが、形はどうであれ、ネモとこうして格闘的コミュニケーションをとる姿は新鮮でもあり、心強くもあり、不安でもあります。



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追撃のゆりちゃん。

もこっちとネモの会話に丸太特攻をブチかますがごとくの割り込み。
根元さんが知らない、黒木さんの中学時代の友達についても、私は知っている……。

ゆりちゃんの目線がアッチいってます(真子さんの向こうぐらいに視線をやってます)。ゆりスイッチが入ってしまったのでしょう。そして、智貴くんのことについて矢継ぎ早に口にしていきます。ネモのあずかり知らぬことを滔々とのべる様は[喪124]のゆりちゃんを彷彿とさせます。



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真子さんのこの表情はなにを思ってのことか……?

ナニをだよ!という意味ではないと信じたいですが、小宮山さんが突如にして乱入してきます。「変なキーホルダー好き」というあらぬ、およそ小宮山さんも知らない情報、もとい大いなる誤報(犯人:黒木智子)を周囲の人間に流布するだけでなく、「(智貴くんに)触ったこともある」のだから当然です。

小宮山さんが知りえているのは、私の部屋(3-5教室)に智貴くんがやってきた折に、ゆりちゃんが智貴くんの制服の袖を摘んでいた場面だけです。小宮山さんの脳内では「まさかそれ以降に、智貴くんに接触したのかこのメス豚!」と、思考の速やかな発展が行われたの違いありません。

これはキルスイッチ入りますわ……。

なんというか、「さわったこともあるよ」ってセリフ、ゆりちゃんらしさが爆発してて面白いですね。黒木さんの弟をオブジェみたいに扱ってるというか、異性として全く興味ないのが丸わかりです。

小宮山さんが冷静なら、すぐにそれと気づきそうなものですが、

おい!どこさわったんだおい‼︎

え、そこ?ってな感じて場の空気を凍りつかせる小宮山さんは怒髪天をつき、ゆりちゃんにメンチを切ります。ネモさんは場外に追い出されてしまいました。



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どこなんでしょう……

ゆりちゃんも深慮ある発言ではなく、ノリ発言だった様子。あのとき、黒木さんが教室に帰ってくるまでの引き止めのために袖を握ったことは覚えていても、それ以外のことはなんら記憶にないのではないでしょうか。この場面も「おい!って、まるで吉田さんみたい……」とか考えてそう。

もこっちは汗をかいているので、小宮山さんに対して引き気味であることが分かります。まずい、このままではアイツ(ゆりちゃん)に手を出すかもしれん……

次の場面。もこっちは素晴らしい対応をします。
コップの水を指にとって、小宮山さんの顔にピッと飛ばして冷静にさせる。

「私の友達に 気持ちの悪い からみかたすんなよ」

それにより小宮山さんは瞬間的に我に返り、また客観的な自分の姿について説明を受けます。

小宮山さんは、本来は友愛の情に厚く、相手を思いやることのできる優しい子ですから、もこっちに自分が暴走していたことを告げられれば、即座にそのことと自分の否を認め、謝罪の言葉を口にすることができる。もこっちも、そんな小宮山さんを理解している。

伊藤さんは関心し、岡田さんは小宮山さんをやべー奴と認識し、ネモはちょっぴり不機嫌に。




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もこっちの口から「『田村⇄黒木』は友達である」と言葉がでるのは初めてのことです。ゆりちゃんはその言葉を聞いて反芻しています。ゆりスマイルです(真子さんは大好きな吉田さんを見ているので、そんなゆりちゃんに気づいていません)。

客観的にどう見てもゆりちゃんともこっちは友達関係なのですが、ゆりちゃんは言質が欲しかったのですね。

あんな場面で、もこっちの口から、なんの淀みもなく「私の友達」なんて言葉が出るとは……ゆりちゃんだけでなく、多くのファンは目頭が熱くなったのではないでしょうか。

ゆりちゃんは、今日はもう、ずっと胸の中が温かいのでしょうね。午後の授業も上の空かもしれません。ネモへの絡みが客観的に見てアレだったにせよ、自ら行動して、ぶつかって、大いなる結果を引き出したのですから。代償として小宮山さんからメス豚扱いされても、そんなこと気にするゆりちゃんでもありません。


水取ってくるわと立ち上がった吉田さんは、その視線の先にもこっちと小宮山さんがいるはずなので、指を入れてダメにしたもこっちの水の替えを取りにいったのでしょう。「あいつ(黒木)もなかなかやるじゃねーか」なんて思ってそうで、たいへんよろしい具合です。

もっとも、水の替えをと考えたのは小宮山さんも同じだったようで、だからこそウォーターサーバー前で智貴くんの首の後ろに腕を回している吉田さんと鉢合わせるわけでして……

オチのギャグも含めて、極めてレベルの高い回でした。

加藤さんが居ないのは、もこっちと岡田さんがきつねうどんを食べてるからですかね(錯乱)






まとめ
塩見先生(図工担当).Jpg
ゆりちゃん萌え〜

ゆりちゃんは、やっぱ、いいなあ……
 
ラベル:わたモテ
posted by ぎゅんた at 22:38| Comment(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月05日

わたモテ感想[喪132]モテないし先輩後輩の関係


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授業中の教室。3年生になって一カ月ぐらいの時期の日常回の一コマ。

きっと寝不足のもこっちを横目に微笑むネモ。板書に集中するゆりちゃんと南さん。細目気味のゆりちゃんは黒板に書かれた内容を読み取りながら理解に努めているのでしょう。それとも、近視気味で文字を視認しにくいのかもしれません。加藤さんは誰とLINEしているのだろう(辞書を借りる約束?)。



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学園ものの「日常」といえば、やはり休み時間の教室の印象が強いものです。友人らの人間関係がつぶさに見られる時間帯だからでしょう。

休み時間になると席を立って場を離れるタイプと離れないタイプがいます。もこっちとゆりちゃんは明らかに後者ですね。手洗いの用でもなければ自分の席に座り続けているタイプ。

もこっちの席は教室の最後列の端っこ窓際という、いってみればゴルゴポジション。前に加藤さん、横にネモ、斜向かいにゆりちゃんという穴熊的布陣は居心地のいい場所に違いありません。いい匂いがしそう。あえて這い出たい気持ちも湧きますまい。ゆりちゃんは隣に天敵である南さんがいれども、空気のような存在に変えてしまえる精神の持ち主のようなので気にもしていないでしょう。なので、休み時間はもこっちとふたりでボーッとしているに違いありませんし、そんな二人の元に真子さんが足を運んでくるのでしょう。

真子さんはもこっちに少女漫画(単行本)を手渡してきます。友人(誰?)に勧められて読んで見たら面白かったからと。真子さんは又貸しするような人物とは思えませんから、内容が気に入ったので自分も同じものを購入したに違いありません。よく漫画を読んでいるであろう黒木さんにも、面白さのおすそ分けをしたい優しい気持ちが、真子さんにはあるのです。もこっちよりも先にゆりちゃん貸さないのか?とも思えますが、ゆりちゃんは「漫画あまり読まないから」らしいのでスルーしたのでしょう。



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もこっちは少女漫画をあまり嗜まないようで、ふたりにその理由を饒舌に語ります。善意で貸そうとしてくれる真子さんに対して少々、礼を失した態度ですが、この年頃の「好き嫌い」は理屈抜きであり、勢いが強いものなのです。もっとも、忌憚ない意見を述べられるほど気の置けない関係に(自然体で)なってきているとも考えられます。

少女漫画は、女の子のノーミソを心地よく刺激してくれる空想夢想的な世界への誘ってくれるものであります。偏見まじりに語るなら、都合よくイケメンに見染められて振り回されてハッピーエンドを迎えるプロットを辿るものです。黄金パターンといってもよいかもしれません。ライバル出現や危機との遭遇、その克服と主人公の成功……様々な展開があれども、読者代表たる少女諸氏の共感を得るために腐心し計算され尽くされた演出に満ちています。読んでいるうちに、読者は主人公に共感し、物語に没頭し、心地よい夢想の世界に耽溺することができるようになります。

底意地の悪いライバルキャラと和解して親友になる展開が嫌いだし、許す主人公も嫌いだともこっちは述べています。都合が良い奴は嫌いなのでしょうし、現実主義的なのでしょうし、他人から受けた仕打ちを怨恨として抱えやすい気質があるのでしょうし、己の尊厳を大事にする高いプライドが透けて見えます。

女の子は、普通は争いを好まず、お花畑と揶揄されようとも事なかれ主義であったりするものなのです。だからこそ、少女漫画ではライバルキャラとも和解するし、親友になったりする展開は共感を産みやすい。その展開は、なるほど安易だとしても、数々に出来事をお互いに乗り越えたからこそ理解し認め合える間柄に昇華するのであれば、そこには人間の高い精神性を感じずにはおれず、無条件で感動するものです。最終的には、人間同士の和解こそが最も尊いものです。



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同意するゆりちゃん(レア)の姿にビックリする真子さん

もこっちにせよゆりちゃんにせよ、男のコのノーミソをしている、と感じます。好きか嫌いかはもとより、自分の中に絶対的な価値観があり、それを受容しながら依存しているところがある、といいましょうか。物事や事象を常に哲学して、自分なりの解釈に落とし込めている人といいましょうか。やはり二人は陰キャラ。

とりあえずもこっちとゆりちゃんには、『シトラス(香魚子)』という少女漫画を推薦しておきます。しかしこの少女漫画を真子さんに推したのは誰なんだろう。吉田さんだったら「吉田さんから」と明言するだろうから、もこっちと親しくない人なんでしょうね。



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昼休みに中庭のベンチに座り借りた少女漫画を読むもこっち。教室では少女漫画は云々と発言しておきながらも、真子さんに勧められた以上、通読して返却時に感想を述べなくてはならないと生真面目に考えていそうです。中庭にきたのも、集中して読もうとする意思の表れでしょうか(単に昼休みは教室にはいない「日課」の延長線上かも)。

とはいえ、やはりもこっちの共感を呼ぶ内容ではないようです。ベンチの裏の大木からうっちーに覗かれているともつゆ知らず、少女漫画の内容に対して脳内批評とツッコミを楽しんでいます。

そこに現れましたは入試ボランティアの回で知り合った1年生の平沢雫ちゃん。この子は本人いわく「同性に友達ができないので異性に一緒にいてもらっている」とか、およそ世の中の99%のリアル高校生の共感を得られないズレっぷり。少女漫画の主人公ってなんだろう。

もこっちと雫ちゃんが座るベンチの周りに次々と集まる濃い面々。ぼっちかと思っていた黒木先輩に、こんなにバラエティ豊かな友達がいるなんて。みんなに好かれてるんだ。雫ちゃんは自己を内省します。私に友達ができないのは、男子が悪いのではなく自分に問題があるからではないか?

自分自身が同性に好かれないなら、同性の友達なんて出来やしない。これは、正しいことです。そしてまた、同性に好かれていない人間は、異性からは警戒の対象にもなりうることも。同性に好かれない人物がどうして異性から無条件で好かれましょう。そしてまた、その人物の人となりを知りたければ、その人物と交友関係にある人間をみればよい。類友傾向の強い女子であればこそ、それは如実にわかるもの。

「その人物の人格を試してみたいなら、その人に権力を与えればよい」と述べたのはエイブラハム・リンカーンですが、嫌われる人は、意識的であれ無意識的であれ、傲岸であることを隠しきれていないものです。

雫ちゃんは今後、重要な後輩キャラクターとして物語に関わってきそうですね。
ところでもこっちは、ち◯こちゃんのことは後輩と認識していないんですね……






【本日のゆりちゃん】
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今回もゆりちゃんは実にゆりちゃんでした。

額面通りに受け取るなら、ゆりちゃんは冷たい人物に思える描写ですが、それは誤解です。ただの平常運転です。

雫ちゃんのことは無視したのではなく、「知り合い以上後輩以下」であることが分かった瞬間に関心を失っただけですし、ネモに対しては(これでも)十分に親密なコミュニケーションが取れています。

ネモがゆりちゃんのキャラクタに気圧されつつあるのが分かるのがいいですね。もう大概の対応をされても「田村さんだなー」で済んじゃうレベルに育ってきてます。ゆりちゃんの方も、ネモに対して不要な緊張感を抱かず接せられるようになりつつあるのではないでしょうか。

もちろん、ゆりちゃんの態度は褒められたものではないわけですが、自分を理解してくれる人だけが友人として側にいてくれることを率先して強いてくる孤高の選別システムはゆりちゃんの理にかなっています。

今後、もこっちを中心軸に、ネモやゆうちゃんと仲良くなっていくゆりちゃんの姿をみられる日が来るだろうと思うと胸が熱くなります。ゆりちゃん萌え〜

ゆりちゃんは、やっぱ、いいなあ……
ラベル:わたモテ
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2018年03月22日

わたモテ感想[喪131]帰るまでが遠足


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今回は遠足イベント裏話な8P。

ゆりちゃんの出番は少なく、そもそも加藤さんが全てを奪い去っていった勢いに見えるのですが、今後の学校生活でのゆりちゃんの人間関係が(ゆっくりでしょうけれど)発展していきく予感を感じとれる回です。

たった8Pであれども濃密な展開をみせてくれるのが『わたモテ』でありますが、今回もその例にもれません。



電車での帰り道
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帰路を共にするメンバーは「ゆりちゃん・ネモ・岡田さん・加藤さん」の計5人。吉田さんと真子さんは別のようです。うっちーは雌猫の間グループに回収されたはずなのでいません。

どういう計らいか、ゆりちゃんとネモは吊り革立ちです。もこっちの左隣には岡田さん、右隣には加藤さんが座っています。ゆりちゃんはもこっちの前をキープ。ネモは目の前に座っている岡田さんと歓談中。

この一枚絵のゆりちゃんを見ると、

・耳は外している
・吊り革握るのは左手で、ネモ側を開けている
・イヤホンをしているのは、左耳で、ネモ側のは外している
・会話に参加せず、ぼーっとしている

ことが分かります。
耳を外しているのは「恥ずかしいから」ということもありましょうが、遠足気分からいち早く現実世界に戻った心理的な切り替えを意味しています。

嬉しく思ったのは、左手で吊り革を持って、右耳だけイヤホンを外していることです。ゆりちゃんは、ネモと会話をしたいまでの心理はなくとも拒絶していないことが見て取れるからです。

右手で吊り革持ってイヤホンを指していれば、ネモを容易に完全ブロックできるはず。そんな「拒絶の姿勢を見せるゆりちゃんに無理にグイグイと話しかけることは流石にありますまい。もっとも、ネモは前回「これからも田村さんが嫌でもからんでいくよ」とゆりちゃんに伝えていますから、それでもネモが絡んでくる可能性はあるわけで、そんなネモを受け入れ始めている、ともとれそうです。少なくとも、ネモを嫌いでないという気持ちに偽りはありません。私は、ゆりちゃんネモと仲良くなって欲しいと願っているので、今回のゆりちゃんを見て気持ちが明るくなるものを感じました。

会話に加わらずぼーっとしているのは、ゆりちゃんの平常運転。真子さんも吉田さんもおらず隣にネモがいるあたり平時の環境とだいぶ異なりますが、心理的にそれほど緊張感もないはず。これはゆりちゃんの大きな前進です。今後、学校生活での人間関係が、ネモとの絡みから発展していく様相が想像できますし、ゆりちゃんもその未来を受け入れていると思えるからです。

もこっちと吉田さんと知り合い親交を深めるうち、ゆりちゃんは友情を感じ、求めるようになり、少なからず自己反省もして、その構築に積極性を発揮する前向きな姿勢になりつつありあります。ネモと絡んで、振り回されもすれど、友好関係が広がり、ゆりちゃんが成長していく気がします。



この表情は「気づき」かな
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加藤さんに照れ照れでキーホルダーを再び貢ぐ黒木さんを見ても、 フラットなゆりちゃん。この表情は「黒木さんは美人に貢いじゃうタイプか……」と気づいた瞬間のようです。加藤さんに特別な親愛の情を示すためにキーホルダーを渡したのではなく、ただ惚けてしまった末の一種の暴走行動なのだと。

加藤さんの膝で涎流すほど熟睡し起きたら慌てふためいた末に顔を赤くしてモーさんキーホルダーを貢ごうとしているのですから、ゆりちゃんでなくとも、本当に黒木さんらしい行動です。もこっちが目を覚ます時に加藤さんは狐耳を取っていて、狐の化かし感があるのも見逃せません。

少なくともゆりちゃんは、もこっちから自発的にモーさんキーホルダーをプレゼントされています。直前に乗った「モーさんのミルクハント」にしても、もこっちの中学時代の反省の延長上に、ゆりちゃんだけのある特別のアトラクションでした。

本当はのとこ、ゆりちゃんはもこっちから親愛の情を示されていますし、お互いにも特別な相手なのです。ネモと違って目に光があるのは、本遠足を通じて漠然とながらもそのことを理解し始めており、振り回されない余裕が生じているからでしょう。これは、諧謔的に強請ってキーホルダーを入手したネモとの差異に他なりません。


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思えば、この時のゆりちゃんの表情に似ていますね。

もっとも、うっちーにまで自発的にモーさんキーホルダーをプレゼントしていたことはゆりちゃんは知らないはず(花火を見上げてる間に、もこっちとの間に加藤さんがいて距離ができたので)で、それを知ったら目が曇るかもですが。

なんにせよ、ゆりちゃんは今後の学校生活でネモと加藤さんとも絡んだりしてくるのでしょう。真子さんにべったりだった頃と違って振り回されることになるのでしょうが、新たな表情や側面を見せてくれることなるのではないでしょうか。ゆりちゃん萌え〜

ゆりちゃんは、やっぱ、いいなあ……






今回のMVPは初芝氏だと私は思うわけです
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もこっちが一年生の時に初登場して以来、三年生のクラス替えまでその姿のなかった初芝氏(安藤)ですが、『わたモテ』に限って何もないわけがなく、今回、その存在を力強くアピールしてくれました。智貴くん以外にどうに男キャラクター影が薄い作品ですが、このような形で「格好いい男」を出してくるとは、ゆめゆめ『わたモテ』は侮れません。

何が格好いいって、過去に妥協した自分を反省して研鑽を積んでいたこと、元々、絵を描くのが速い特技(?)を有していたにせよ、いまやモブキャラだけに止まらず、人物や建築物、風景に至るまででディテールを逃さず極めて正確に絵を描けるように成長を遂げていることです。

人が有する能力においては、多くの場面で「速さ」は絶対の武器になります。よく言われる「遅くとも正確に」は間違いではありませんが及第に過ぎません。「速く正確に」を遮二無二に目指すほうが能力を向上させる面でも、高い結果が約束される上でも絶対なのです。

描写的に「速さ」を捨ててはいないようですから、初芝氏が2年の間にどれほど努力していたかのか、読者に自然に想像させてくれます。

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何者かになる成るには(三田紀房『銀のアンカー』


初芝氏は進学校の生徒ですし、さすがに20時間はないでしょうが、欠かさず絵を描き続けていたはずです。ネズミーランドで周りが遊んでいる中、ストイックに絵を描くことを選択することもさながら、ぶっ通しで描き続けられる高い集中力は飽くなき修練から鍛え抜かれたものです。

私は絵心のない門外漢ですので、初芝氏がどれほどのレベルなのかもうひとつ確証がもてませんが、それでもこの歳でこれだけの絵をこの速さで、あまつさえパッと見た瞬間を記憶するかのようにキャンバスに落とし込むのは相当の手練れであり、稀有な才能の持ち主のように思います。

初芝氏は美術部ではなく漫研に属していますが、漫画に対して真剣に対峙している感じがまた格好いいですね。美大に進学とかはせず、絵を描き続け、気づけばひとかどの漫画家(やイラストレーター)になっていたりするのではないでしょうか。

初芝氏がもこっちとカップリングする面白そうな未来は『わたモテ』的には実現しないでしょう。むしろ文化祭あたりで間接的に絡むことになった結果「安藤のやろう1年のときのアレはモブ顔だったのかよ!」と気づいて切歯扼腕するもこっちの姿が見られるかもしれません。






オマケ
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加藤さんとのLINEにかまけてスマホ中毒になった黒木智子について 〜 田村ゆり

願わくば絵が描ける人間になりたい……
1日20時間、絵を描いていれば1年でいけるかな?

初芝氏は、すごいなあ……

ラベル:わたモテ
posted by ぎゅんた at 20:40| Comment(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月01日

わたモテ感想[喪130]モテないし遠足が終わる


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「食べさせてますがな」とは言わせないネモ流ネゴシエーション

長かった遠足編は今回で終わりのようです。

ネモともこっちが、今日1日でここまで濃密に仲が進展することになろうとは、誰も予想だにしていなかったに違いないし、ネモ以外にも様々なドラマがありました。アレコレ化学反応した一方で新たに構築が始まった人間関係の行方は、学校生活(日常)に持ち越されていくことになります。

今回のゆりちゃんはネモから宣戦布告交友宣告を受けます。ゆりちゃんはもこっちの友達だし、同じキーホルダーを持っている仲だからと。

今後のゆりちゃんの交友関係の広がりの始まりを予感させる回です。



point in common
ネモはゆりちゃんがもこっちと仲が良いことを知っています。学校でいつも仲良くつるんで姿を見ていたのでしょう。ネモは慧眼で、この2人の仲が相性的に良いことを見抜いているように思えます。

今後、学校で(お気に入りの)もこっちと絡んだりつるんだり仲良くする上では、ゆりちゃんの存在を無視できないし、蔑ろにできません。ゆりちゃんと仲良くなりたいとも、思っているでしょう。仲良くなるには、話題でもアイテムでも、なにかしらの共通項があると心理的に捗るものです。


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相手を追い込むネモ流おねだりの術

ゆりちゃんと加藤さんに渡していたモーさんキーホルダーを見て、自分にもなにかプレゼントが欲しいと思ったネモはもこっちにグイグイと攻め込みます。袖の中に手を隠しながらそれを見つめるゆりちゃん。見事、ラスト三つ目のモーさんキーホルダーを引き当てゲットするネモ。

同じモーさんキーホルダーであっても、ゆりちゃんや加藤さんほど喜んではいないのは、もこっちからの自発的な気持ちからくる恵与でないからでしょう。ネモにとって重要なのは、ゆりちゃんが持ってるキーホルダーと同じアイテムであることです。

なので、すかさず


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……(真顔)。

とゆりちゃんに伝えます。

もこっちは2人のやり取りを真顔で見ていますが、ゆりちゃんの表情もまた描写がないだけで真顔のはずです。ゆりちゃんの真顔はポーカーフェイス。

ネモはゆりちゃんと仲良くなりたい意図があっての共通項としてのモーさんキーホルダーですが、ゆりちゃんにその意思はありません(ネモが自分と仲良くなろうとしていることへの意図も読めていないのでは)。モーさんキーホルダーは、2人で行動していた時に黒木さんから自発的にプレゼントされた特別の証に他ならないからです。


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ゴゴゴ…(真顔)

元よりポケットに手を突っ込む癖があるゆりちゃんですが、これは両手を突っ込んで握りこぶしを作っている様が明らかです。やり場のない苛立った情動の存在を隠しきれません。


不快な苛立ちを解消するために、人はどうすべきか?
1.怒りのはけ口として破壊行動に出る(八つ当たり)
2.苛立ちの原因を攻撃する(対象となる人もしくは物に暴力を振るう)
3.「なぜ、いま自分は苛立ったのか?」と自己分析する
4.黙さず積極的に相手もしくは他人と会話をする
5.クールダウンのため、1人になる
etc.


1.2.はひどく感情的な行動であり、「自分が怒っている」ことを態度で示すことは精神性の幼さを感じさせます。

例えばこのコマの直後、ゆりちゃんがネモに裡門頂肘を叩き込んだりネズミーランドの備品を怒りに任せて破壊したりすれば、一部読者からの喝采が得られ、ゆりちゃんもまた鬱憤が晴れることになりましょうが最大瞬間風速にすぎません

いかなる事情があれ、暴力は歪みを残しこそすれ良い結果を産まないものです。長い目で見れば、必ずマイナスにつながる軋轢となります。とくに感情のもつれが原因で、人間関係において暴力行為を働くのは片道切符に他なりません。

「狂犬」「暴力系ヒロイン」と讃えられるのは二次元の世界だけです。現実世界では誰からも不気味がられて疎んじられ、社会からはじき出されていくことになります(うっちーや着ぐるみの腕を強くつねったり握ったりしたのは贔屓目に許容範囲ということでおねがいします)。

いきなり真子さんの腕を叩いたり、隣に座るもこっちに肘打ちしたりするゆりちゃんですが、これは親しみを感じている相手に限局した、言葉でのコミュニケーションに詰まった時の咄嗟の「ツッコミ」なのでしょう。やたら相手の背中を叩く酔っ払いのような、さしたる悪意のない行為なのではないでしょうか。

ゆりちゃんが今後、ネモと肝胆相照らす仲になっていったら、ネモに物理攻撃を加える姿が見られる日が来ると思います。酔っ払った姿のゆりちゃんが見たい。

3.と4.は、個人的に私が心がけている対処法です。怒りの感情が湧いたら、その事実はさておき、何がそのトリガーであったかを瞬間的に分析するよう心がけると良いのです。

コレコレの理由で自分は腹を立てているのだな、と造次ながら客観的になるだけで怒りの感情は落ち着く方向に向かいます。話が少し戻りますが、この時に怒りの感情に任せて1.2.の行動をとると、まさしく火に油、火事にナパーム弾でありまして、怒りの感情が余計に昂ぶることになります。

小鍋は直ぐに沸騰するもの。お湯が沸きつつあっても、差し水をするだけで沸騰を避けることができます。不機嫌な時に不機嫌任せに行動するといつまでも不機嫌な気持ちのままなのです。怒りの感情が燻っていても、不機嫌な心境できますあったとしても、意図的に他人と会話することも有効な対処法のひとつです。他人とコミュニケーションをはかるというのは、冷静に努めなくてはならないという心理が働くことで、案外に昂ぶる感情を落ち着けてくれるようです。


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ゆりちゃんはひとり 静かに立ち去り、集合場所(推定)に向かっていました。5.の行動です。

心理的に追い詰められた時に有効なのは集団から離脱して1人になることであり、それをして人は客観的に自分の立ち位置を理解し、回復し、また元の場所に戻って行くことができる。失踪や家出、一人旅などは、自分探しと揶揄されることがあるけれども、追い詰められた人が再び社会の中に復帰して行くためには有効なプログラムであったりするものです。

小難しく考えずとも、これは「実にゆりちゃん」な行動であります。そもそも以前のゆりちゃんなら、そのまま帰宅していたのではないでしょうか…。

無断での単独行動とはいえ、約束に場所に向かうのは「4人」でナイトパレードを見たい気持ちがあるからでもありますし、2年生最後の打ち上げ会のように、立ち去る自分を追ってきてくれる3人の姿を無意識下で期待しているのかもしれません。

誰の姿もないので、みんなのために場所取りをはじめます。

一方その頃、別の場所で吉田さんが迷彩柄のレジャーシートを敷いて場所取りをしている姿がありました。ナイトパレードの待ち合わせ場所はここだったのです。もこっち、ネモ、岡田さん、加藤さんがやってきます。ゆりちゃんがここに向かっていると考えていたのです。


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耳を装着し直して座ってパレードを見ながらひとり待ち続けるゆりちゃん。目に前には幸せそうな家族の姿。

「吉田さんも他の人もこない……」

このセリフは、考えすぎかもしれませんが寂寥感があります。もこっちも真子さんも他の人扱いだからです。「吉田さんだけはきっと居てくれる…」という、期待と甘えが強く入り混じった心境にあると考えられるからです。耳をつけているのは、今の自分が楽しい遠足の延長にいると思いたい心理と、私を見つけて欲しいという甘えの表れでしょうか。

そんなゆりちゃんに声をかけたのはネモでした。

「吉田さんがね もしかしたらこっちにいるんじゃないかって言ったから 私が来たんだ」
「そう」

場所を間違えて居たんだね、吉田さんが(あなたのことを)気にかけてたよ、という安堵を感じさせるニュアンスで、ネモの言葉選びの巧みさを感じさせます。勝手に1人で行くからという非難の念はありません。でも、ちょっと急所を突いてみるのがネモ流。

「クロか吉田さんが良かった?」
「別に」

気の利かない昔のAIみたいな返答ですが、心を許していないゆりちゃんはこんなものです。少なからず苛立ちも混じっているでしょう。その上で「構わないで欲しい」ことを匂わせるつっけんどんな態度をとることが、気持ちが更に苛立たせていることでしょう。

ネモはそんなゆりちゃんのことはお見通しなのでしょう。けれども、別にそのことを気にするそぶりも見せず隣に腰掛けます。

「もうパレードも終わるしここで場所取りしとこうか?」
「………」

ゆりちゃんは否定も肯定もせず黙したまま。ネモが絡んでくることを観念したようです。


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「今日一回も田村さんと一緒にならなかったね」
「……うん」

これは現状の2人の関係を改めて認識する言葉です。田村さんと話をするのは今日が初めてで、一緒に園内を回ったけれどもペアになることはなかったね、と。

これは親密になれる機会を逃していたよね、という意味にもとれるし、私は田村さんと親しくなりたいのだと遠回しに匂わせています。ゆりちゃんは漠然とそのことを感じ取ったのではないでしょうか。沈黙の後、適当に相槌を打ったわけではありますまい。

ゆりちゃんは耳を外さないままネモの話に傾聴しています。

「最近さー 私の中で本音で話すのが流行りだから聞いちゃうけど」
「田村さん 私のこと嫌い?」
「別に嫌いじゃない 好きでもないけど……」
「いいね クロの友達だけあって普通に答えじゃないね」

この場面、ネモとの唐突で慣れない会話が始まったにせよ、ゆりちゃんの心には小さく嬉しい気持ちが沸きつつあったのではないでしょうか。押しの強い第三者から、黒木さんの友達だと言われ、黒木さん同様に普通じゃない(カテゴリーが同じ)と肯定されて認められているわけですから。嫌いじゃないし好きでもない、と答えたゆりちゃんも本音でのことしょう。


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「2年の頃だったら田村さんと仲良くなる必要もないしこのまま近づかなくなってただろうな」
「でも今は違うから これからも田村さんが嫌でも絡んでいくよ 友達の友達で同じキーホルダー持ってる同士だしね」
「別に嫌ではないけど……」

ネモはゆりちゃんに本音トークを続けます。2年の時の自分は偽っていたのだと。その頃の自分に戻る意思もないのだと。そして、もこっちとだけじゃなくあなたとも親しくなりたいのだと。

ゆりちゃんの返答は曖昧模糊としていて歯切れが悪いですが、これはコミュ障なりのニュアンスアンサーというやつで、真意のほどは「(根元さんの考えは)分かったよ。私は気にしないよ」ということになります。ネモを受け入れたのです。

そのことはネモも会話を通じて察したことでしょう。緊張が抜けたように軽い話題に舵を切ります。

「あっそうだクロね おみやげ屋でまた同じキーホルダー買ってたよ 味しめたんじゃない」
「……バカだな」
「ねぇ バカだよねー」

ここの会話が今回のハイライト。2人が共有して知っている「お馬鹿なもこっち」をネモらしい明るく剽軽に話題に挙げます。

(鈍感すぎる黒木さんは本当に)馬鹿だと、共感し合えたことでしょう。ふたりの心が通いあい始めた瞬間です。プロ同士、多くは語らず、ネモとゆりちゃんの表情が敢えて描かれていないのが良いです。ネモは笑い、ゆりちゃんは少し和らいだ表情をしていたに違いありません。

この直後に合流してゆりちゃんに話しかける吉田さんが何ら一切の違和感を感じていないところからも、「普段のゆりちゃん」だったはずだからです。

「そうなの?」
と平常運転に戻ってるゆりちゃんがかわいい。


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残念ながら、デート中に偶然、元カノと遭遇したシーンではありません

ナイトパレードは一緒にはかないませんでしたが、花火には合流がかないました。

花火が打ち上げられるまでの30分の間になにがあったかは分かりませんが、ゆりちゃんは吉田さんともこっちに挟まれたベストポジションにいます。目隠れさんにプレゼントされたウサギのぬいぐるみを、寒くないようにと服の中に入れて抱える吉田さんが可愛い。

真子さんもここにいれば…とふと思ったであろう吉田さんとゆりちゃんは、南さんと行動を共にしている真子さんの姿がそばにあることに気づきます。ふたりとも話しかけることはせず無言なのですが、吉田さんは嬉しく安堵したことでしょう。一方、ゆりちゃんがどう思ったかは、想像することが難しい。南さんといる真子さんの姿に嫉妬も嫌悪もなく、否定も肯定する気もなく、そのことをニュートラルに許容する自分がいることへの気づきでしょうか。


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シレッともこっちの横に立ってるうっちーと、コマで見切れて姿のない南さん。これからの行方を暗示するようなコマです。

素直に解釈するなら、遠足編6人組が今後のメインパーソンとなり、そこに加藤さんと岡田さんが加わってくるのではないでしょうか。南さんに引きずられて真子さんが脱落するとは思えませんが、南さんにつきっきりで真子さんが一時的に離脱する展開は考えられます。最終的には、南さんは救いのある終わり方を迎えることになるでしょうが、安易な予想は立てられません。

真子さんがそばに居なくなった間に、ゆりちゃんが少しずつ独り立ちするように成長していく姿が見られるかもしれません。その途中に、実はもこっちがゆりちゃんのことを友達として素直に気にかけてくれていたことに気づいて悶々とする姿が見られるかもしれません。ゆりちゃん萌え〜

ゆりちゃんは、やっぱいいなあ…




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こんなところからスタートした遠足編ですが、みんな楽しかったと満足したようで、読者の嬉しさもひとしおです。おつかれさまでした。

次回は箸休め回になるか、新章スタート的に学校生活(日常回)が始まることでしょう。

細かな隙間時間の出来事や、花火が終わってからのそれぞれの帰路については、単行本のおまけ漫画で補完されることになりそうです。加藤さん絡みのネタが鉄板ですかね、やはり。

ゆうちゃんへのお土産もまた、モーさんキーホルダーになってそう。「これやたら人気あるみたいで〜」と得意げに顔を輝かせてプレゼントして、自分も装備して、残りを智貴くんに渡すのでしょう。そして、文化祭に遊びに来たゆうちゃんが身につけているモーさんキーホルダーをゆりちゃんやネモが見つけるまでが鉄板。私の妄想です。はい。

ラベル:わたモテ
posted by ぎゅんた at 19:47| Comment(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月25日

わたモテ感想[喪119別視点]


12巻に収録されているおまけエピソードです。

[喪119]で、ゲーセンにて吉田さんとゆりちゃんがパチンコ台に並んで座って会話していましたが、その内容が明らかになりました。

細かいところまで全て合致するわけではありませんが、もこっちがこの現場を訪れたタイミングから推察すると、概ねこのような会話内容になるはず。


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「(黒木さんを)見張らなくていいの?変なことするかもよ」
「なんで2年の最後まであのガキのお守りしなきゃなんねーんだ」

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「昨日みたく 私と吉田さん 誤解されちゃうかも」
「うるせーよ」

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(「これ当たらないけど やり方これでいいの?」のあと)
「ハンドルひねりすぎだ ゆるめろ 玉飛び過ぎてるだろ」


昨日みたく、というのは[喪118:モテないしオラつく]でのドタバタと岡田さんのこと指しています。前日の出来事だったんですね。

あのドタバタの発端と原因は100%もこっちの所業でありました。学校でのいつもの風景です。

私と吉田さん誤解されちゃうかも、なんてセリフを嬉しそうな表情でしゃべるのは、実際に楽しいイベントだったからでしょう。もこっちの馬鹿さに真面目に怒るいつもの吉田さんと返品されて来る黒木さんのコンボなのですから、あの時ゆりちゃんは表情には出さないまでも心の中で大笑いしていたのではないでしょうか。一種の思い出し笑いです。



モテないし打ち上げに行く
さて、そんなゆりちゃん、「そんなのやってるなら打ち上げに来れば?」と吉田さん相手に遠慮のないコメント。もこっちといい、この2人は吉田さんに対して良い意味で容赦ないというか、自然体で済む適切な距離感が出来上がっていて素敵です。

「興味ねーよ」と素っ気ない吉田さんの隣に座り、真子さんも誘ってパチンコゲームを始めます。対等な会話は同じ目線の高さから。ゆりちゃんは、4人でなら打ち上げに行ってもいいと思っていますから、吉田さんが参加するかしないかは重要です。しないなら、仕方ないけれども、するのならとても嬉しい。4人で食事をできる機会なんて、もうないような気がしているからです。吉田さんも一緒に参加して欲しいのです。

パチンコを打ちながら黒木さんも打ち上げに来るけどいかないの?と吉田さんにジャブを放つゆりちゃん。この時点で、もこっちが打ちあげに参加するという言質はとっていません。案外に大胆な策士ゆりちゃん。これはゆりちゃんの中で希望が現実を上書きしてもこっちは打ち上げに参加するという認識になっていたわけではなく、単なる交渉上の駆け引きです。

修学旅行で親しくなった特別な仲であることは、確認する必要もない事実。私(と真子)だけでなく班長だった黒木さんも来るよ、と吉田さんをくすぐるわけです。参加を決めあぐねいている黒木さんも、吉田さんが参加するとなれば、きっと来てくれるだろう。

ゆりちゃんの握力が強いのは公式設定となったようです。今後の「痛そうなつねりや握り」の前振りとなりますし、「パチンコのハンドルを回す微妙な力加減ができない=不器用」の示唆でもあるのでしょう。

そんなゆりちゃんなので「まあ私はこうやって4人でいれれば別にいいんだけれどね……」と、こう、いきなりの心情吐露です。ゆりちゃんは吉田さんが真っ直ぐな性格であることを知っているので、飾らず素直に振る舞えば受け止めてくれるのだとかっているようです。

この後、吉田さんは席から立ち上がって参加の旗幟を鮮明にします。うん、と嬉しそうなゆりちゃん。もこっちに吉田さんが参加することを伝えて、もこっちの参加を確認します。じゃあ向かおうか、と嬉しそうなゆりちゃん。打ち上げ会場の焼肉屋に向かうことになります。



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終業式の帰りに、吉田さんはなぜ一人だったのか
終業式のような「特別な日」は、ちょっとした高揚感がありますから、普通は友達とつるんで寄り道をしたりするものだと思います。女の子なら、なおさらのことでしょう。

タレ目さんと隠れ目さんはバイトやデートで、案外に放課後を一緒にしないのかもしれませんし、ゲーセンで一人で過ごすのが好きなのかもしれません。ただ、これは理由としてはやはり弱い。

吉田さんは放課後になったら直ぐに帰りそうとはいえ、クラスの打ち上げがあることは口頭と黒板に告知がありましたから知っていたはずです。興味がなければ、確かに参加しなければいいだけの話、なのですが……

思えば、修学旅行以前の吉田さんは学校にあまり来ない生徒だったようです。登校して授業をフケていたかどうかまでは謎ですが、少なくともクラスメイトとの関わりは全くないぼっちだったはず。

吉田さんがコミュ障であるとは思えませんが、「普通」からは明らかにずれています。見た目もモロにヤンキーなので、級友たちも近づけなかったに違いありません。そうしたことをアレコレ気にする性格でもなさそうですが、学校生活では、親しくする友達がいないのはひどくつまらないものです。修学旅行のガイダンスにも出席していなかった吉田さん(喪69)は、ひょっとしたら修学旅行を欠席していたかもしれません。

ただ、私は修学旅行に参加した吉田さんの心中に、友人を作りたい意思があったのだと思います。

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この場面でも、部屋に戻ったところ鉢合わせしたうっちーをみて嬉しそうでした。同室メンバーと仲良くやりたい慈愛にあふれています。残念ながら、無慈悲なうっちーに「荷物取りに来ただけ」と言われ、不機嫌そうに無言で座る事になりますが。

なんだかんだ、吉田さんは修学旅行で親しくなったメンバーに特別さを感じていることでしょう。そのうち、どこかのタイミングで昔のマガジンの不良漫画みたいな口ぶりで「ダチだからよ」とか真顔で言ってくれそう。

とりあえず吉田さんは、打ち上げを完全無視して帰宅する踏ん切りがつかず寄り道していたのではないかと思います。親しくないクラスメイトに混じってまで打ち上げに参加するつもりは毛頭なかったでしょうが、修学旅行で親しくなった3人がいるのなら…と考え馳せたことは間違いありませんし、ゆりちゃんの「まあ私はこうやって4人でいれれば別にいいんだけれどね……」が決定打になったに違いありません。そんな吉田さんが二次会に行くわけありません。帰るゆりちゃんを追います(喪120)。




この[喪119裏視点]は、この話のMVPが名実ともにゆりちゃんだったことを裏付けるものです。吉田さんが参加することになって、もこっちが参加することになって、ゆりちゃんも参加したのですから。

改めて[喪120]を読むと、初めて読んだ時に味わった何ともいえない切なさがよみがえってきます。ゆりちゃん萌え〜
 
ゆりちゃんは、やっぱ、いいなあ…
 

ラベル:わたモテ
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2018年02月22日

わたモテ感想[喪130]モテないし遠足が終わる


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最後に加藤さんに持っていかれちゃいますがやったぜゆりちゃん回です。


話は前回の直後から
大所帯グループとなったのもつかの間、ネモと岡田さんと加藤さんは本来回る予定だった男の子グループと合流していきます。これで真子さんがいれば4人グループですが、南さんを追っていったきり戻ってくる気配がありません。

根元さんは離脱するのだろうか、とでも考えていそうなポケットに手を突っ込んでいるゆりちゃん。ネモは岡田さんと言葉を交わしてから、もこっちの元にやってきます。


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カバンのベルトを無意識的に握るもこっちは、まだネモを完全に許容していないようです


「付き合いでちょっとだけ抜けるから また後でね クロ 吉田さんも田村さんも」
「お… おお」
「…………」
「またな」

ネモのいう「また後で」は、16:00の点呼集合時のことを指しているのでしょうが、同時に再入場後のナイトパレードのことも意味していると思います。無表情で沈黙を続けているゆりちゃんの心中には、ひとつの懸念がありそうです。

ゆりちゃんにとってナイトパレードは「4人グループ(実質はネモとうっちーを含む6人)」の中で吉田さんからのお誘いに合意して予定されているイベントだからです。また、「付き合いでちょっとだけ抜ける」という言葉からは、黒木グループこそがネモがメインに属さんとする対象となったことを匂わせます。今後、ネモが積極的にもこっちに絡んでくることは確定なのです。

内心、ゆりちゃんは「やっぱり根元さんくるんだ……」ぐらいのことを考えているに違いありません。

ゆりちゃんはネモのことを嫌ってはいないでしょうが、悪気なく自分の縄張りを蹂躙する野良猫のような警戒対象として捉えてはいそうです。「来ないで」と意思表示もできず、仲良くできそうもないけれど敵対しないほうが良い人物であり、要するに自分を振り回すことになる存在。

ネモを加えたリア充グループが立ち去っていきます。そんな中、加藤さんと清田くんの聖人ふたりが手を振っています。この場面でゆりちゃんが手を振って応えたかは描かれてないの定かではありませんが、していないでしょう。前回、うっちーを連行していく雌猫の間グループにはゆりスマイルで手を振っていましたが、あれはうっちーが「少なくとも、もう戻って来れない」状態になったことに加えて、一緒に行動しないことを宣言できていたからのことだからです。


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ゆりちゃんを「タマヨケ」にして陰に隠れるもこっち

「またいなくなっちまったな」
「これからどうする?」

乙女たちのつかの間のまごつき。

そこに現れますは、少年漫画でいう「待てい!」ばりの登場っぷりのタレ目さんと目隠れさん。ケンカ別れ騒動の後に2人はネズミーシーに足を運び、吉田さんが欲しがっていたウサギのぬいぐるみを買いに行っていたようです。高い行動力と仲直りを大切に思う尊い心。園内で鉢合わせしないように、ランドでなく敢えてシーを回っていたのかもしれません。

目隠れさんは吉田さんに「こいつが欲しかったんだろ?やるよ(ほんで、仲直りな)」とぬいぐるみを見せます。きっとシーの中を歩き回って、ようやく見つけたに違いありません。獲物をゲットした達成感と高揚感はいかほどでしょう。ですから、猟師が獲物を誇示するような耳を掴んだ持ち方をしても誰も責めることはできません。…吉田さんを除いて。


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激情あふれるヤンキー女子同士のぶつかり合いが目の前で勃発しても狼狽すらしないツワモノゆりちゃん。内心では小馬鹿にしているくせに、いざヤンキーを目に前にすると萎縮する小物っぷりを露呈する黒木さんと違って大物です。尤も、ゆりちゃんは吉田さんを全く怖がっていないからなのですが。

そもそもゆりちゃんは、修学旅行で吉田さんと親しくなっていく過程でヤンキー扱いを全くしていませんでした(一方、真子さんは吉田さんを怖がっていました)。真子さんと同じ班になれなかったことからくる「やさぐれモード」だったためか、「友達がいないだけある」他人への無関心さのためか。そんなゆりちゃんだったからこそ、吉田さん相手にやらかす班長であるもこっちのフォローを上手にできたのでしょうし、絆を結んでいくことができたのです。

ゆりちゃんは、吉田さんが怒って手を上げるとすれば下衆なセクハラまがいか、可愛いモノが好きであるところの侮辱が原因であると体験から理解しています。目隠れさんとのこの騒動も「ああ、そうだよね」ぐらいにしか思ってないでしょうが、一方で(前回の話にあった)岡田さんとの騒動を思い出しているのでしょう。ケンカするほど仲が良いとか、雨降って地固まるとかいうけれど、仲直りの機会があるのなら、決してそれを逃すべきではないことも。

ですからゆりちゃんは、こちらに気を使って立ち去ろうとしたタレ目さんと隠れ目さんへの合流を吉田さんに促します。戻ってくるかもしれない真子さんの存在や折角の3人パーティになったにも関わらず。ゆりちゃんにとって「4人」は原子核における安定した電子配置に等しい状態だと思いますが、前回の真子さんの送り出しに続いて吉田さんも送り出します。

吉田さんは、ゆりちゃんからの申し出が意外だったようですが、意図を汲んだようで了承します。
私がとても嬉しく感じたのは、吉田さんからの確認の一言。

「……わかった でも約束 忘れてないよな?」
「うん」
「じゃあまた後でな」

吉田さんが心待ちにしているナイトパレードに、ゆりちゃんもいて欲しいという気持ちが透けているからです。心のつながりを感じるやり取りです。


そして誰もいなくなった
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まごうことなき本音

陰キャラ同士になると途端に足も鈍るわけでふたりは縁石に腰掛けています。目の前をチュロスを手にした仲の良い女の子ペアが通り過ぎていく。遠足もあと2時間ぐらい。ここで呆けて座り続けているには長すぎる時間。もこっちに「なんか乗りたいのある?」と訊かれても即答で「別に」と答えるのがゆりちゃん。沈黙。

会話の突破口を開くのはもこっちでした。ノリツッコミを欲して諧謔に出ます。
「や…やっと二人きりになれたね?なんて…へへへ」

しかしゆりちゃんは「う…うん」とローテンション。いきなり変化球が飛んで来ても受け止められません。しかしなぜ変化球を投げて来たのかについて考えることはできる。黒木さんなりの冗談なのだと、分かる。それなら、得意じゃないけど冗談で返してみよう。冗談なんだから、嘘も偽りも抜いたセリフ返せばいいよね。

「……これでもう 私達に邪魔は入らないね」
「へ?」
「え?」
「……いや なんでもない」
「あ(こいつなりの冗談か!?。テンポ悪いわ!!)」
「いやなんかごめん…… 無理させて……」


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ゆりちゃんが八極拳の使い手なら、もこっちはリングアウト必至です

傍から見るとバカップルよろしく素っ頓狂なやり取りの末にゆりちゃんが赤面しています。冗談を盾に口にした「本音」をもこっちに悟られたと思ったからです。あまつさえ「なんか告白させてしまったみたいで、ごめんな…」みたいなことを言われたのですから。

そりゃ肘もでる。無理してないと意思表示もする。読者は悶える

このやり取りを通じて、もこっちは乗りたいアトラクションを思いつきます。それは、中学の時に友人に誘われたが「あんなのガキの乗り物だよ」と鼻で笑って拒否したモーさんのミルクハント。もこっちの中で、何らかの形で清算しておきたい記憶(黒歴史)なのでしょう。別に激しい乗り物系が苦手なゆりちゃんを慮っての選択でもないのですが、それがまた、ゆりちゃんにしてみれば「黒木さんらしい」チョイスに思えるはず。

さりげなく「(中学の時の友達、ってことは)成瀬さん?」と確認するように訊くのがゆりちゃん。ゆりちゃんにとってゆうちゃんは、もこっちとの付き合いを深めていく上で大きな存在だからです。ゆうちゃんは敵意も他意も何ら有してもいないし意識もしていないことを承知の上で、自分が一方的に気にしてしまう相手と言って良いでしょう。ゆりちゃんが成長して、解消しなくてはならないギャップが横たわったままです(文化祭イベントで消化されるのではないかと思います)。


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ようやく黒木さんとペアで乗れました

ゆりちゃん楽しそう。

もこっちは内心では「ギミックは色々あれどスリルが足りない」と評しながら、心なしかリラックスして楽しんでいる様子。その一方で「中学の時 ガキの乗り物って判断した私はあながち間違いではなかったな」と独白してもいる。

誰しもの人生にも「あの時の自分の行為は過ちであったのでは」という悔恨の念はあるもの。ですが、少なからずその判断は正しく、実際に過ちであったことが多いもの。歳を重ね人生を知ってくると、過去の自分の行為を客観的に判断できるようになりますし、若い頃は、その若さゆえに「幼い」行為を選択するものだからです。

重要なのは、過去の自分の行為や選択が間違いではなかったと後になっても確信できることは、自分自身を支える絶対的な大黒柱であることです。もこっちは、ファンシーな乗り物よりは、スリルとして刺激を好む性格が間違いなくあるのでしょう。無意識的な芸人気質なところがあるのも、スリルを求めてのことなのでしょうし、それをして思わぬ一線まで到達していたりする。

モーさんのミルクハントは、もこっちにはベストのアトラクションではありませんが、ゆりちゃんにはベストのアトラクションになったようです。ゆりちゃんは気の置けない相手とファンシーな時間を静かに過ごすのが好きなのだと思います。

「私はこれが一番好き」

なんかもう、黒木さんへの純愛告白にも聞こえてしまうセリフに胸がドキドキします。


赫奕
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某漫画家の自画像のような牛さん

お土産のファーストチョイスにキーホルダーを選ぶことに定評のある黒木さんですが、モーさんのぬいぐるみを手にするゆりちゃんの姿を見て、割安3個セットのモーさんキーホルダーを購入します。ゆうちゃん用、予備用、そしてゆりちゃんへのプレゼントに。

ゆりちゃんのことを「こいつ」呼ばわりしているもこっちですが、ゆうちゃんと同じレベルの友人だと認めているようなものです。余ってるから、と前置きされた上であっても、ゆりちゃんは察するところがあったことでしょう。きっと「ゆうちゃん・黒木さん・私」のお揃いのキーホルダーなのだと。友達は、こういうことするものだから。


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だからこそ、たとえ表情筋が10グラムでも10t爆弾級のこの笑顔。
ゆりちゃんの心の中が、どれだけ明るく暖かくなったことだろう。

この笑顔を見て「喜んでるか?」と確証がもてない黒木さんは残念ながら武器商人になれそうもありません。


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点呼の時間。再入場スタンプを腕に押してもらい園外の集合場所へ。3-5のクラスメイトが集まっている場所に近づくと同時に耳を外します。ポケットに手を入れます。見目麗しい女狐に声をかけられます。

「黒木さんと田村さん 南さん見てないよね?」
加藤さんたちと合流する前なら、一人で歩いているところを見て真子が追いかけて行ったけど…加藤さんたちと別れてからは見てないし。
「え!?う…うん」
黒木さんも見てないと答えているから、口を挟まないでおこう。

……黒木さん、加藤さんにチュロスを口に突っ込まれているようだけど。餌付けかな?

え、そのキーホルダーって!?


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戦が始まる

ゆりちゃんの氷の視線がもこっちの背中をグサグサと刺しますが、加藤さんに腑抜けにされて火照ってるもこっちには効きません。美少女聖人クイーンにヨシヨシされたら、おっさん脳のもこっちはなすすべなしでアヘ顔をさらけ出してしまいます。そのようなもこっちの嗜好について、ゆりちゃんの理解はまだ及ばないところでしょう。

そんな3人の姿を後方より見ていたネモ。あなた半年ほど前は、もこっちにとって今の加藤さんと同等のレベルのセクシャルな存在でしたのに、本性を出してしまったばっかりに残念なことです。

もっとも、ネモもそんなことは承知の上。
ゆりちゃんの持ってるモーさんキーホルダーを見て察したネモはもこっちと加藤さんのところに乱入していきます。「私にも頂戴」するためです。ネモはSタイプなのでグイグイと絡みたくなるのですね。そんな自分の姿がまた、ゆりちゃんを嫉妬させることを計算ずくで行動してそうなところすらあります。

哀れ黒木さんは、また同じ3個セットのモーさんキーホルダーを(再入場後に)買うことになりそうです。ゆうちゃんと、アレ?私のと、智貴の?



ゆりちゃんの最高の笑顔で暖かな閉幕と思いきや、ここにきて加藤さんがラスボスで控えているとは恐れ入ります。ゆうちゃんに加え、ネモと加藤さんがゆりちゃんに立ちはだかる。ゆりちゃんの道は長い。

とは言ったものの、もこっちにとってゆりちゃんは、本人は意識していないにせよ生涯にわたって親交を結んでいられるほど相性が良い友人でしょう。それがわかるのはナイトパレードイベントではなく、もっと先のイベントでのことになるのではないかと思います。ゆりちゃん萌え〜

ゆりちゃんは、やっぱ、いいなあ……
 
ラベル:わたモテ
posted by ぎゅんた at 20:38| Comment(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月05日

(漫画紹介)『健康で文化的な最低限度の生活』




生活保護に携わるケースワーカーたちの姿から、生活保護の実態を克明に描いている作品。「行政」を舞台にした人間ドラマものであるが、半田さんの格好良さに悶えさせられる萌え漫画でもある

ネット上では10年ほど前から、生活保護に対してバッシングの嵐が吹き荒れてきた。「働いたら負け」とか「現代貴族」とかいう名言(?)はこの頃に生まれたものであったように思う。その背景には生活保護という社会保障制度への無理解と誤解、そして極めて人間らしい醜い嫉みがある。無知からくる偏見ほど厄介なものはない。

元々、生活保護という制度は、存在はすれども関わりなく過ごしてきた国民が大半だった。生活保護のセーフティネットに掛からずして生活している人ばかりであったのである。

そんな中、押しも押されもせぬ破竹の勢いの日本経済もバブルが弾け敗戦処理に追われることになった。経営者はリストラを断行し非正規雇用という蜜を吸い始めるようになった。それまで日本社会は、なんだかんだで雇用者を大切にしていたのであり、年功序列が明らかで就職後の将来設計見通しも建てやすかった。それをして愛社精神があったし、文句を言わず素直に勤労し納税していた。順応な飼い殺し社会だったと言えるかもしれないが、極めて安定した豊かさがあった時代であったと思う。

経済繁栄路線をひた走っていた日本社会もとうに終焉を迎え、全体的な豊かさが減じるにつれ、相対的に貧困層が目立ち始めた。生活保護受給者が増え始めると同時に、生活保護のプレゼンスが増した。おりしも、これはワーキングプア問題が台頭し始めた時期にも一致するのである。

昨今、国も国民も、生活保護受給者は税金を食いつぶす存在だと認識しているように思う。

しかしそれは間違いであることは、冷静に考えれば明らかである。

受給者もまた国民の1人であり納税者であり、社会にはいざという時のためのセーフティネットが不可欠だからである。

生活保護受給者への風当たりの強さは、偏見から生じているものが多数であるが、自業自得の側面もある。恥や遠慮を知らない傲岸不遜な態度の受給者がいれば、反発を招くだろう。貧困ビジネスの肥やしにされている受給者がいれば、その無知さ加減を追求したくもなるだろう。嗜好品の購入やギャンブルに保護費を費やしていれば、その愚かさ加減を呪いたくもなるだろう。こうした「残念な」受給者は、ごく少数ながら実在する。もしあなたの周りに行政(生活課)関係者や医療従事者がいれば、生活保護受給者の印象について尋ねてみると良い。少なからず辛辣な意見を耳にできるはずだ。火のない所に煙は立たぬ。強烈な印象を与える存在があれば、たとえ少数なれども、そのものが属するグループ全体の印象を決定づける。例えは悪いが「飲食店とゴキブリ」のようなものだ。

さはさりながら、受給者は馬鹿だと断定することはできないし、してはならない。「生活保護を受給している」現実を、実際に有する心理状態は、そうでない人が想像することは難しい。身体に痛みを抱える人の精神状態が不安定になりがちなように、生活保護を受給していれど金銭的に困窮し余裕をなくしている人が善良で良識的であれようか。

「犯罪の禍根は貧困にあり」「衣食足りて礼節を知る」「恒産なくして恒心なし」などど言われるように、人が人として生きていくには、何よりも余裕が必要である。生活保護受給者が増えていることは、財政上、確かに由々しき問題であろうが、その反面、この制度によって不幸な犯罪の発生が防がれている側面もあろう。生活保護を受給するような貧困者は穀潰しだとかプライスレスだとかDQNだとか罵倒する人間(ネット上で目立つ)は、自助努力して地位や収入を勝ち得た、さぞ立派な高額納税者たちなのであろう。言いたくなる気持ちも分かる。しかし、生活保護受給者について、もう少しばかりの斟酌をお願いしたい。

現状、生活保護受給者の多くは国民年金だけでは生活に困窮する高齢者である。さすれば、超高齢化社会である以上、今後も受給者の数は増加し続けていくことになる。

いくら生活保護が社会にとって必要な制度であっても、その財源は無限に用意されているわけではない。現在の日本経済が好調で成長路線であるなら、税の増収が見込めるので良いのだが、そうではないわけである。アベノミクスがなんであれどうであれ、景気が良いと実感しているのは、勝っている投資家や退職間近の官僚や大企業の役員以上のアッパークラスな人たちであり、経済を根底から堅牢に支える中流層の人口は増えていないのである。

経済の基本は「お金の循環」であるから、貧困層に位置付けられる生活保護受給者に現金が支給されることは、実は最もローコストでハイリターンなことである。しかし、経済の規模は小さいと言わざるを得ず、やはり景気を良くして税収を上げていくことを考えるなら中流層を増やさなければならないだろう。中流層ほど消費活動に能動的で善良な納税者もおらず、国家が求める国民の模範像たる存在もないはずである。

……漫画の紹介から大きく逸脱してしまった。それというのも、この作品が生活保護という制度を通じて色々なことを考えさせられる力に満ちているからである。実写ドラマ化されそうでされないあたり、ドラマ化によって生活保護受給者(申請者)が急増することを懸念する向きがあるのだろうか?とちょっとモヤモヤする。単に作者が許可してないだけかもしれないけど。
 
posted by ぎゅんた at 16:28| Comment(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする