2013年09月01日

力作だが、それだけだ 「Deadspace3」(Origin版)総評

Deadspace3.jpg

はじめに
Deadspace3の発表を聞いたときの興奮と失望をうまく言葉にすることができない。あんなに待ち望んでいた続編なのに、PVをみても心踊ることが一切なかった。面白そうだなんて好意的な感情が微塵もわかなかった。大好きなシリーズの最新作だというのに、心に火がつかない。なにかに裏切られたかのような奇妙な疎外感だけが残り、私は Deadspace3 というゲームの存在を忘れることにした。

発売されてからユーザーの盛り上がりがそのゲームの評価となる。デッドスペース3は、果たして、さしたる高評価はなかったようだ。Gears of war 3 とおなじで、恒例のシリーズものにすぎず、ただ静かに弱るように先細るように存在感を失うだけの結末といえよう。なぜ、初代の作品がヒットしたのかを忘れて安易な、売るためだけの続編を作るのか?シリーズものの続編はファンからの期待が高くなるだけに安易に手を出せば火傷する、要求されて達成しなくてはならないハードルがとても高いものだというのに。少なくともDeadspace3の評価が芳しくないのは、そのあたりがファンに見透かされてしまうからだろう。ゲームは商品だから、売れなければどうしようも無いのはファンだって分かっているけれども、安易な「出せばとりあえず売れる」ような続編など作ってもらいたくないとも考えているものだ。誰しもが、期待して購入して期待外れだった失望を味わいたいと思っている訳がない。


チャリティーバンドルでDeadspace3(Origin版)を入手
正規の金額を支払ってまで購入する気持ちがない以上、セールやバンドル、中古品を買い求めるのがベターである。ちょうどBF3を遊ぶためにOriginのアカウントを持っていたため、都合はよかった。ただし、もしアカウントがなければ購入しなかっただろう。本作にかける気持ちは、その程度だったということである。従来のシリーズ同様、日本語対応はしていないので英語音声/英語字幕となる。


グラフィック
Xbox360版よりもマシンスペックが高いパソコン版のためだろうか、グラフィックはとても綺麗である。吹雪の中から始まるプロローグで、吹雪が切れて景色があらわになったときは息を呑む美しさだ。また、グラフィックに限らず各種オブジェクトのディティールやギミックも実に細かく作り込まれている感じである。だが、見た目の美しさがゲームの面白さを保証することが決してないように、Deadspace3はとても面白いゲームだと褒めることができない。そんじょそこらのタイトルに比べれば遥かに面白いが、シリーズを追いかけてきているユーザーにとっては、正直、期待外れの内容ではないだろうか。ベンチで武器パーツを組み合わせて自分好みの武器を見つけたり、組み合わせを試行錯誤する面白さは本作独自のものであるし、キャンペーンもお代わりを遠慮したくなるボリュームだ。とはいえ、前作・前々作のように何度も周回プレイをさせるだけの中毒性欠けているのは明らかだ。それは、シリーズ最新作として自分の望む方向に仕上がっていないことに対する不満があるからに他ならない。


ストーリーと内容
シリーズ三作目に要求されるレベルからみれば陳腐といって差し支えあるまい。英語音声/英語字幕なのでストーリーを完全に理解しているわけではないが、結局はまたマーカーを壊さなくてはならない危機的状況にあるストーリーで、そこにイチイチ痴話喧嘩が入り込んでくる。元々デッドスペースは、なにも喋らないアイザックなるエンジニアを操作して化け物の徘徊する閉鎖的な宇宙船から脱出するサバイバルホラーである。なんら一切発言することのない寡黙な主人公キャラは不自然であったが、一種のダークな不気味さが逆に魅力的なキャラクター作り上げていたのは事実である。続編デッドスペース2になり、途端に饒舌なキャラクターになったことに私は深く落胆したが、派手で軽快スタイリッシュなアクションサバイバルものへ転向であること直ぐに分かり、主人公キャラが喋らなくてはどうにもならないことも理解できた(それでも喋らない寡黙なキャラでいて欲しい気持ちは変わらないが)。これは言ってみればSF映画「エイリアン」と「エイリアン2」のような作風の違いと思ってもらって差し支えない。どちらも魅力的なタイトルであることに変わりないのである。だが、3の内容は肩すかしだ。1と2の作風を経て、より面白く昇華させなくてはならないのに、デッドスペース2のDLCか焼き増しのような印象しか受けないのだ。舞台が宇宙船から極寒の惑星になったのはマンネリを避けるためかもだが、まるでカプコンの「ロストプラネット」である。デッドスペースは、制作スタッフらがカプコンのバイオハザードシリーズが好きで、そのリスペクトから産まれた作品と聞いているから、同社のロストプラネットシリーズもまた、リスペクトされているのかもしれない。そんな彼らにとっての「バイオハザードシリーズ」は、しかし、皮肉なことにタイトルを重ねるにつれ駄作の度合いが増していき、シリーズそのものが安易に続編を出して売るためだけの商業タイトル化=ゾンビ的存在となってしまっている。デッドスペースシリーズは、そんなところは真似てもらいたくなかったが、残念なことに、本作の出来から判断すればもうスッパリ終了しておくべきレベルにある。少なくとも私は、デッドスペースシリーズの一人のファンとして、本作で終了してもらいたいと思っている。グダグダ続編展開を繰り返して栄えあるブランドを汚してもらいたくないからである。


ゲームシステム
もっとも大きな変更としては、主人公が携帯する武器に関してである。
今回は、最初から固定で用意されている工具や火器をノードでパワーアップしていくスタイルではなく、各種パーツを組み合わせて武器を作り出すようになった。ノードがない分、威力やリロード速度、装弾数などのパワーアップは、サーキットというチップ(?)を武器本体に後付け装して調整するスタイルになっている。

deadspace3_bench.jpeg

組み合わせにより作り出される武器はかなり多岐になるため、プレイスタイルの幅が広がっている。攻略重視の強力な武器を使い続けるもよし、性能は二の次で嗜好と趣味に走った武器を使い続けるもよしである。携帯できる武器は最大二種類までであるが、使用する弾(アイテム)は全て共通となっている。そのため、自分が携帯していない武器の弾をキャッシュに換えたり倉庫保存する手間はなくなった。これを簡素化と感じるか手抜きと感じるかはプレイヤーによるだろう。私は単純になって攻略の刺激がなくなったように感じた。せめて工具系と火器系は使用する弾(アイテム)を別にしてもらいたかった。

本作では、工具系よりも火器系の方がいくぶん強力な印象を受けたが、私はクラシカルにプラズマカッターをメイン武器にして攻略した。本作ではプラズマカッターのみでは対処しきれないであろう雑魚ラッシュシーンが多くあり、対多数乱戦用として、両手構えの火炎放射器/リッパーの組み合わせによる接近戦専用工具系武器をサブウェポンとして携帯した。リッパーで切り刻みながら火炎放射器で消毒するのは壮絶で爽快である。

武器としての効率を考えていくと、各種パーツの組み合わせはおのずと決まってくるだろうが、趣味と好みに任せて自分好みの武器を見つけ出す作業は存外に楽しく、本作における素晴らしいフィーチャーといえるだろう。プレイヤーの多くは、ベンチで長考、試行錯誤することだろう。


難易度など
敵が素早くなり、数で押してくるため、単純に難易度は上昇している。COOP仕様のために配置される敵の数が多くなっているようだ。捌き切れないことはないが、後半の敵はほぼ全てSuper版となり、同じような数で攻めてくることには閉口した。ラッシュ展開がワンパターンに感じられるだけでなく、硬く速い敵に押されるのが連続するだけでウンザリしてくるのだ。強力な武器で襲い来る強敵をブチのめしていけばよいだけとしているのだろうが、どう贔屓目にみても調整不足の感が否めない。強制イベントシーンでの死亡ポイントも、嫌がらせのように分かりづらく作られておりストレスを感じる。

もうひとつ気になるのは、敵の四肢の切断についてである。デッドスペースシリーズは、ヘッドショットや胴体への攻撃は得策でなく、積極的に敵の四肢を切断することで手早く倒すことができる設定になっているのだが、本作は切断して倒していく必要性が薄く感じられる。それは、耐久力の低い人間キャラクターが敵にいることもあるが、ネクロモーフにしても胴体に攻撃をブチ込めば動きを封じられる上にそのまま倒せてしまうからである。また、全般的に動きの素早くなった敵の四肢を切断するのは単純に難しくなってしまった。そのため、積極的に切断して倒そうにも上手くいかず、素直に胴体にブチ込んで倒すほうが楽で確実だったりする。切断して倒す方法が一番スマートであることだけは徹底して欲しかった。


まとめ、その他
・内容的にはデッドスペース2.5
・もはやサバイバルホラーではない
・人間、ネクロモーフを問わず殺戮を楽しみたい好戦的な人向け
・くだらないDLC
・不親切なセーブシステム
・やりこみ要素はあるので、縛りプレイを含めた周回プレイを楽しもう



金を出して購入すれば、少なくともメーカーを支持することになるから、納得がいかなければ購入しなければよい。くだらないDLCと思えば利用するべきではないし、それをしてそのメーカーの姿勢を糾弾することになるからである。このあたり、あまり文句をつけると、EAに対する文句にしかならなくなるのでやめておこう。なんにしろ、我々ユーザーは不買という強力な武器を持っていることを忘れてはならない。
ラベル:DEAD SPACE
posted by ぎゅんた at 03:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 洋ゲー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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